早期心不全BNP外来【 目的 】
心不全は、超高齢社会を迎えた日本において患者数が増加し続けており、その深刻さから「心不全パンデミック」とも呼ばれています。
心不全は一般に進行性の疾患であり、一度進行すると完全に元の状態に戻ることは難しいですが、適切な治療によって症状や心機能の改善が得られる場合もあります。また、ステージが進むにつれて生命予後が悪化することが知られています。
特に、うっ血性心不全で入院された患者さんでは、約4人に1人が1年以内に再入院し、約5人に1人が1年以内に亡くなることが明らかになっています。しかし、多くの方が病状に気づかないまま進行し、突然うっ血性心不全として発症することも少なくありません。
こうした状況を踏まえ、当院では心不全発症前の段階で早期に発見・治療することを目的に、「早期心不全BNP外来」を設置いたしました。本外来では、心不全の兆候を早期に把握し、適切に介入することで心不全の進行を抑制し、患者さんのQOL(生活の質)や予後の改善を目指します。
心不全について
心不全は、心臓の働きが弱まることで、息切れやむくみ、体重増加などの症状があらわれる病気です。進行性の病気であり、少しずつ悪化していくことがあります。適切な治療を行わないまま放置すると、生命に関わる危険性もあるため、早期の対応が大切です。
主な原因には、高血圧、心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、不整脈などが挙げられます。これらの基礎疾患を適切に診断し、それぞれに合った治療を行うことが重要です。
現在、心不全はA〜Dの4つのステージに分類されており、症状が改善と悪化を繰り返しながら、徐々に進行していくと考えられています。

多くの場合、地域の基幹病院では、心不全の症状が悪化し、緊急の対応が必要となるステージC以降の患者さんをご紹介いただくケースが多く見られます。しかし、どのような病気でも、治療の基本は「早期発見」と「早期治療」です。心不全も例外ではなく、症状が軽いうちに適切な診断と治療を行うことが、病状の進行を抑えるためにとても重要です。
診療フロー

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1心不全を疑われる「体重増加・息切れ・むくみ・動機」などの症状がある
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2かかりつけ医や地域の診療所を受診
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3心不全の血液マーカー「BNP」「NT-proBNP」の上昇がみられる
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4当院早期心不全BNP外来へ紹介
かかりつけ医(医療機関)の方へ
「早期心不全BNP外来チェックシート」の必要事項ご記入のうえ、早期心不全BNP外来へのご連絡をお願いいたします。