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ご挨拶

私が病院長になる時、まず初めにどんな病院でありたいかと考えました。私たちの存在は誰から求められているかと考えると、当院の患者さんやご家族、地域の医療機関や福祉施設、そして地域住民の皆さんです。ではそのような方達から私たちは何を求められているかを考えて導き出した当院の姿は「患者さんにやさしく、患者さんが安心できる病院」でした。『私たちはあたたかい思いやりの心で、質の良い医療・福祉サービスを実践します』という当院の理念を病院像に当てはめてみると、まさにこのような病院になるのではないかと思います。
そしてもう一つ私が掲げた当院の目指すべき姿は「職員が楽しく働ける病院」です。診療科や職種、部署の垣根がなく風通しがよい、コミュニケーションが取りやすい職場環境は質の良い医療の提供のためにもとても大切だと考えます。

当院は医療の質を高めるために医師をはじめとする人材の確保、医療機器の導入や更新を行い、がん診療や脳卒中、心血管疾患の診断と治療、さらには当院の強みである周産期医療や、手外科をはじめとした整形外科領域などさまざまな分野の診療機能の充実を図ってきました。
また静岡県で初の救命救急センターを開設した歴史もあり、救急医療に力を入れて地域の皆さんに安心を提供できる体制をつくっています。
このように急性期病院としての機能を高めながら、医療だけではなく福祉も担う「済生会」の病院としての役割を果たしていきたいと考えています。

済生会は「施薬救療」により生活困窮者の「生(いのち)を済(すく)う」ようにと明治天皇が下賜されたお手元金をもとに1911年に設立されました。現在では全国で400を超える医療・福祉施設を運営する日本最大の社会福祉法人です。(詳細はこちら
現在全国の済生会では「ソーシャルインクルージョンが根付いたまちづくり」を推進しており、地域とのつながりを大切にしています。当院では市民公開講座や済生会フェアなどのイベントを通じて、病院や済生会という組織のことを知っていただき、皆さまにとってより身近な存在になれるよう取り組んでいます。さらに地域の医療機関や福祉施設との連携もすすめて、当院だけではなく地域で患者さんを支える体制づくりを行っていきます。
また、現在の超高齢社会における生産年齢人口の減少は、医療と福祉を担うわれわれにとってもたいへんな問題です。実際のところ医療・福祉分野では人材確保が困難な状況に直面しています。静岡の医療と福祉を担う若い世代が増えるためにも、静岡をより魅力的で人が集まる街、住みたくなる街にする必要があり、そのために当院が様々な形で「まちづくり」に関わっていくことも大切ではないかと考えています。

これからも地域の皆さまとのつながりを大切にして、当院に来院された方に「済生会でよかった」と思っていただける愛される病院をめざしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

2025年5月

静岡済生会総合病院 病院長

病院長 岡本 好史