静岡済生会総合病院 医学研究センターの活動
当院では医学研究センターを設置し、疾患の原因や病態の解明、新たな診断法・治療法・ケア法等の開発を通じ、医学・医療の発展に寄与することを目指しています。
研究内容は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づき、倫理コンプライアンス委員会において審議され、承認を得た上で実施しています。研究成果は論文および学会発表等にて公表しています。
「当院における臨床研究に関する情報公開(オプトアウト)」および「研究概要と先進的なとりくみ」を下欄にてご紹介します。業績は2020年以降の主な論文発表です。
また、職員の研究のサポートを行い、院内研究発表会での発表、および静岡済生会総合病院医学雑誌への掲載を進めております。掲載された研究については、下欄のPDFをご覧ください。
医学研究センターの活動についてのお問い合わせは、次のメールアドレスをご利用ください(kyoiku@siz.saiseikai.or.jp)。
医学研究センター長
榛葉 俊一(精神科)
当院における臨床研究に関する情報公開について
人を対象とした臨床研究は、患者さん本人や家族へ文書および口頭で説明を行い、同意を得てから行われます。このような同意取得をオプトイン(opt in)といいます。
臨床研究の中では、患者さんへの侵襲や介入(注)がなく、これまでの診療情報、検査値、画像、診療のために採取し検討が終了した生体試料のみを用いる臨床研究もあります。このような臨床研究については、個々の患者さんから直接同意を得る代わりに、ホームページなどで臨床研究についての情報を公開し、自分の情報などが研究に使用されることが拒否できる機会を保障することが必要とされています。このような手法をオプトアウト(opt out)といいます。下記の臨床研究の対象に該当され、研究への参加を希望されない場合は各研究の担当者までご連絡ください。
注)
侵襲:検査、処置、手術、投薬などを行うこと
介入:投薬、手術などの治療を行う、または行わないこと
医薬品及び医療機器の適応外使用等に関する情報公開
医薬品及び医療機器を定められた方法以外で使用(適応外使用等)する場合に、患者さんへの説明を省略する医療行為についての情報を公開しています。
医薬品及び医療機器は厚生労働大臣が承認した内容で使用することが求められています。しかし、治療の必要上、やむを得ず承認された内容とは異なる使用(適応外使用)や承認されていない薬品・機器(未承認医薬品・医療機器)を使用する場合があります。その場合は、病院内の倫理・コンプライアンス委員会で使用の必要性があるか、有効性・安全性等の面から問題がないかを審議し、承認した上で使用することとしています。
適応外使用等の医療行為を行う場合、通常は、事前に医師等の医療従事者が文書又は口頭で説明を行い、患者さんからの同意を得ます。しかし、科学的に相当の根拠があって、倫理的な問題が極めて少なく、患者さんに有益であると判断された以下の医療行為については、病院のホームページ上にて情報公開のもと、文書又は口頭による説明・同意取得を例外的に簡略化することを、病院内で承認しております。
当該医療行為を希望されない場合、その医療行為を拒否することができます。拒否される場合でも、ご自身の診療において不利益を受けることは一切ございません。
本件について詳細が知りたい場合、ご質問がある場合、拒否されたい医療行為がある場合は、当院までお問い合わせください。
問い合わせ先:薬剤部 医薬品情報室
承認番号 | 医療行為の内容 | 対象者 | 承認日 | 備考 | 情報公開文書 |
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20241408 | ソル・コーテフ注射用の 供給制限に伴う代替品 としての水溶性ハイドロ コートン注射液の適応外 使用について |
手術後や、薬剤アレルギー の予防又は治療など、 ソル・コーテフ注射用 の投与を受ける患者さん |
2025年3月26日 | (ハイドロコートン) 未承認薬承認情報公開文書 |
研究概要と先進的なとりくみ
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手外科・整形外科研究
研究員:矢﨑 尚哉 (副院長・手外科・マイクロサージャリーセンター部長兼リハビリテーション科長)タイトル 末梢静脈穿刺および末梢静脈カテーテル留置に伴う合併症の低減の取り組み 研究員 矢﨑 尚哉 (副院長・手外科・マイクロサージャリーセンター部長兼リハビリテーション科長) 概要 末梢静脈穿刺および末梢静脈カテーテル留置は総合病院において治療に不可欠な処置である。現状では視診および触診により静脈の位置を把握して穿刺している。2019年以降、神経症状を伴う合併症数を全例記録しているが、禁忌としている橈骨茎状突起周辺での穿刺に伴う橈骨神経障害は減少していない。Difficult intravenous access(以下DIVA)と呼ばれる静脈穿刺困難例においては前腕部の静脈の同定が視診、触診では困難で、橈骨茎状突起の周辺の橈側皮静脈のみが同定可能な例が多いからである。1年前から看護部、医療情報課と協働し、穿刺回数、カテーテルの生存期間を記録して、データを抽出可能としている。このデータを解析することで、DIVAとなる因子が明らかになることが期待されている。
DIVAに対処する方法として超音波診断装置を利用した静脈穿刺が有用とされている。しかし、モニターと穿刺部位の両方を見ながら穿刺するのには習熟が必要である。また救急車内やヘリコプター内で血管穿刺を行う際には揺れを伴うため、モニターと穿刺部位の両方を見ながら穿刺するのには困難を伴う。2024年、足立らはスマートグラスとハンディサイズの超音波診断装置を使用して、視点を動かさずに穿刺する方法を提案した。本法は鶏肉を使用して検討されたが、臨床応用はされていない。今後、モニターを見ながら穿刺する方法とスマートグラスを使用して穿刺する方法の比較検討を行っていきたい。 -
病理学研究
研究員:北山 康彦 (病理診断科 部長)タイトル パラフィン切片保存シートの長期有用性の検討 研究員 井ノ口 知代(病理診断科、臨床検査 技師) 概要 【目的】当院では、診断に必要な特殊検査や免疫染色を施行する場合、ヒューマンエラーの有無や得られた染色結果の正確性かつ妥当性を検証するため、陽性コントロールを同一標本に載せて染色を行っている。パラフィン包埋組織を薄切する際には、面出しによる組織の損失があり、多数の未染色標本をあらかじめ作製しておくことが望ましい。しかしながら、免疫染色の場合、切片の長期保存は抗原性の低下を招くことが報告されている。一方で特殊染色の場合は長期保存の影響についての報告はない。そこでパラフィン切片保存シート(東屋医科器械)を用い、薄切済みの未染色コントロール切片の染色性の経時的変化を観察し、長期有用性について検討した。
【方法】当院で使用しているin-house コントロールブロックを薄切し湯伸ばしした後、パラフィン切片保存シートに貼り付け、自然乾燥後、チャック付きポリ袋に入れた状態で4℃保存をした。その保存切片を半年毎にスライドガラスに転写をし、下記の15項目について染色性の変化を2年間にわたり比較検討した。特殊検査(Grocott, Gram, Ziehl-Neelsen, Victoria blue, Berlin blue, Kossa, DFS),免疫染色(CMV, Amyloid A, MDM2, c-kit(CD117), AFP, ER, PgR), ISH 法(EBER)
【倫理的配慮】当院の倫理委員会の承認を得て行った。(承認番号 20240501)
【結果】パラフィン切片保存シートからのスライドガラスへの転写は保存期間に関わらず問題なくできた。ERを除いた全ての染色において経時的変化に伴う有意差は認められなかった。ERは6カ月後からやや減弱傾向であったが、2年後でもコントロールとしては使用可能な染色性を呈した。
【考察】陽性コントロール切片の長期保存にはパラフィン切片保存シートが有用であることが証明された。長期保存が可能となれば再度標本を薄切する手間が省け、面出しによる組織の損失の軽減にもつながることから有用性は高いと考える。
タイトル ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織標本アーカイブス 研究員 斎藤 彩香(病理診断科、臨床検査技師) 概要 半世紀前のFFPE組織標本を用いた免疫組織化学を含む分子病理学的な検査を行い今後の有効活用が可能であることを検討している。免疫染色、FISHにおいては概ね良好な結果を得ることが出来た。さらにシークエンス等遺伝子解析が可能かどうかを検討することが課題である。また、古いFFPE標本に特徴的な所見があればそれはそれで有用な情報であると考える。この追加検証については浜松医科大学腫瘍病理学講座(椙村春彦 名誉教授)に協力をお願いしている。
タイトル EGFR遺伝子変異解析の再検査における免疫染色の有用性 研究員 滝浪 雅之(病理診断科、臨床検査技師) 概要 【はじめに】上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)、細胞の増殖に関わるタンパク質のひとつである。EGFRは非小細胞肺がんの細胞表面に多く発現している。EGFR遺伝子に変化が起こると、通常とは異なる働きを持つEGFRタンパク質が作られ、必要のない時にも細胞増殖し、がんが発生しやすくなると考えられている。当院ではEGFR変異解析v2.0、オンコマインDxTTマルチ6遺伝子、Amoy Dx肺癌マルチパネル7遺伝子を外注(SRL)にて行う際、腫瘍割合が各検査の推奨値になるよう顕微鏡下で選定し、目視にてトリミングして提出している。結果が変異検出せずとなった場合や核酸濃度が不十分だった場合、偽陰性となる危険性がある。そこで免疫染色(exon19欠失、exon21点変異)にて知見を得たので再検査を検討した。
【方法】遺伝子検査でEGFR変異を認めた47症例、認めなかった55症例について次の免疫染色を行い、感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を算出した。抗体は次の3抗体にて実施した.EGFRモノクローナル抗体(31G7)(ニチレイ)。EGFR(E746-A750del Specific:D6B6)、EGFR(L858R Mutant specific:43B2)ラビットモノクローナル抗体(Cell Signaling社)。TE96℃30分間処理後100倍希釈抗体にて行った。
【結果】全症例におけるEGFR(E746-A750del)とEGFR(L858R)の感度はそれぞれ89.5%、94.4%。特異度は95.2%、98.8%。陽性的中率は81.0%、94.4%。陰性的中率は97.5%、98.8%であった。遺伝子検査別については当日報告する。
【考察】E746-A750抗体では感度・陽性的中率がやや低いが、L858R抗体では外注検査と遜色のない結果となった。遺伝子変異なし55症例中、核酸濃度が推奨値に満たさないため参考値として陰性/以下と判定された7症例中1症例L858R抗体陽性。また検体量不足のため検査不可能1症例がL858R抗体陽性となった。遺伝子検査に提出する検体の核酸不足は日常診療においてやむを得ず起こりうる現象といえる。この場合、遺伝子検査の再検査をするにも患者の同意が得られないことも想定され、IHCの重要性を再認識すべきと考えられた。しかし、コンパニオン診断として行うことは学会等では推奨されていないことから、今回の核酸不足や異なる問題など場面に十分留意しながら使用することは意義があると考える。今回の検討は、当院の倫理委員会の承認(No20240509)を得て行った。
タイトル 複数の抗リウマチ薬使用中に組織型の異なる2回のリンパ増殖性疾患を発症した1例 研究員 服部 和哉(病理診断科 医師)
タイトル 過固定組織検体における抗酸菌染色の前処理の効果について 研究員 黒田 優太(病理診断科、 臨床検査技師)
タイトル キシレンの使用量を抑制させる病理組織標本作製法の考案 研究員 黒田 優太(病理診断科、 臨床検査技師)
タイトル 脱気による脱脂効果の検討 研究員 鈴木 晴菜(病理診断科、臨床検査技師) 概要 【背景・目的】病理組織標本作製の際、脂肪成分の多い臓器は切り出し後の脱脂操作が重要となる。昨年度の院内研究発表会にて、100%エタノールのみを使用した脱脂効果の検証を行った。37℃に加温することで、メタノール・クロロホルムと比較し、遜色ない脱脂効果が得られた。そこで今回は、脱気装置による加温脱脂と加温のみによる脱脂を行い、その結果を比較検証した。
【背景・目的】病理組織標本作製の際、脂肪成分の多い臓器は切り出し後の脱脂操作が重要となる。昨年度の院内研究発表会にて、100%エタノールのみを使用した脱脂効果の検証を行った。37℃に加温することで、メタノール・クロロホルムと比較し、遜色ない脱脂効果が得られた。そこで今回は、脱気装置による加温脱脂と加温のみによる脱脂を行い、その結果を比較検証した。
【方法】材料は乳腺2例の既存材料を用いた。乳腺組織を切り出し、重量を乳腺Aは1.3g、乳腺Bは2.0gに設定した。脱気に用いる使用機器は、ホルマリン脱気装置 THW100型(東屋医科器機)の防爆仕様で、真空ポンプを約120秒作動させ0.07Mpaで30秒真空にし、大気に戻して10秒後に真空ポンプを作動した。試薬は100%エタノールをそれぞれ300ml用い、温度を45℃に設定し、1時間おきに重量測定と撮影を行った。なお、予備実験において37℃で検証したが、加温のみと加温脱気脱脂による大きな差を認めなかったため45℃に設定して行った。さらに、凍結切片における残留脂肪の有無を脂肪染色で確認した。
【倫理的配慮】今回の検討は、当院の倫理委員会の承認(No.20230103)を得て行った。
【結果】5時間後の重量減量率は、乳腺Aの加温脱脂で46.2%、加温脱気脱脂で69.2%、乳腺Bの加温脱脂で40.0%、加温脱気脱脂で70.0%であった。脂肪染色による残留脂肪は乳腺A・Bともに、加温脱気脱脂した方が加温のみの脱脂と比較し少なかった。
【考察】前回の検証では、腸間膜の脂肪に比べ乳腺の脂肪は脱脂効果がそれほど得られず、効果は限定的だった。そこで今回は乳腺のみを使用して行ったが、加温のみで脱脂を行うより加温脱気することでより脱脂効果が向上することがわかった。特に加温脱気脱脂では4時間位で減少ピークを迎えたが、加温のみに比べ脱気により組織内の空気が除去されることで、水とエタノールの置換が容易に行われ浸透効果が大きくなったのではないかと考える。通常凍結切片を作製する際、脂肪の多い組織は薄切が困難であるが、加温のみで脱脂した組織より加温脱気脱脂した組織の方が薄切は容易であった。加温脱気した方が、残留脂肪が減少しているため、薄切も容易であったのではと推測できる。加温脱気脱脂は脱脂時間の短縮にもなり、診断までの時間を削減することができると考える。
【結論】加温のみで脱脂するだけでなく、加温脱気脱脂することで脱脂効果の向上を図ることができる可能性があると示唆された。
タイトル 免疫組織化学染色およびISH法におけるInverted section controlの検討 研究員 斎藤 彩香(病理診断科、臨床検査技師)
タイトル 脱気攪拌操作によるホルマリン固定処理時間の短縮について 研究員 土屋 和輝(病理診断科、臨床検査技師)
論文 川端弥生, 五十嵐久喜, 椙村春彦:接合菌類(ムコール菌)同定を目的としたグロコット染色. 医学検査 vol.71 N01(2022)pp.53-60
斎藤彩香, 五十嵐久喜, 北山康彦:ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織標本アーカイブス. 静岡済生会総合病院医学雑誌32(1):31-37, 2022
土屋和輝, 五十嵐久喜, 北山康彦:脱気操作による固定液の浸透性向上. 静岡済生会総合病院医学雑誌 32(1):38-43, 2022
服部和哉 組織型の異なる抗リウマチ薬関連リンパ増殖性疾患が2度発症した1例」臨床病理 2023;40:342-349
Kamo YK, Igarashi H, Sugimura H. Modification of Grocott's staining procedure with heat treatment and oxidation by periodic acid for mucormycosis in tissue: a method to detect Mucor spp. Biotechniques. 2023 Mar;74(3):143-147. doi: 10.2144/btn-2022-0063.
土屋和輝, 五十嵐久喜, 北山康彦:脱気操作による固定液の浸透性向上【第2報】. 静岡済生会総合病院医学雑誌 33(1):40-47, 2023
滝浪雅之, 五十嵐久喜, 北山康彦:遺伝子検査FISH法における前処理後の長期中断の影響. 静岡済生会総合病院医学雑誌 33(1):24-34, 2023
斎藤彩香, 五十嵐久喜, 北山康彦, 石川励, 山田英孝, 椙村春彦:ホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed,paraffin-embedded; FFPE)検体アーカイブスー50年前のFFPE検体を用いた遺伝子解析ー. 医学検査 vol.72 N02(2023) pp.256-263
黒田優太, 五十嵐久喜, 服部和哉, 北山康彦:抗酸菌染色における前処理効果についての検討. 静岡済生会総合病院医学雑誌 34(1):21-29, 2024
滝浪雅之, 五十嵐久喜, 服部和哉, 北山康彦:PAM染色で用いられるチオセミカルバジドの長期使用における再現性の検討. 静岡済生会総合病院医学雑誌 34(1):30-36, 2024
井ノ口知代, 五十嵐久喜, 服部和哉, 北山康彦:HER2 FISH標本におけるCISH法によるVisualization(可視化)の検討. 医学検査 査読内容審議中 -
脳神経内科研究
研究員:鈴木 康弘 (脳神経内科 部長)タイトル 中大脳動脈皮質枝の位置 研究員 鈴木 康弘 (脳神経内科 部長) 概要 MRIの読影時、大脳動脈の枝は正常にあるのか閉塞しているのか、迷うことが多いため、正常の中大脳動脈の位置をタライラッハ座標上で同定する。
タイトル ラクナ梗塞の入院後の症状悪化の要因 研究員 鈴木 康弘 (脳神経内科 部長) 概要 脳梗塞は入院後も約2割の患者で症状が悪化する。本研究では、脳梗塞全体の内、ラクナ梗塞に絞り、2006年から2024年の患者を対象に、入院後症状が悪化したのはどういう場合か解析する。
論文 Suzuki Y. Position of branches of the middle cerebral artery in Sylvian fissure: Application for interpreting axial magnetic resonance imaging. Clin Neurol Neurosurg. 2025 Feb;249:108743. doi: 10.1016/j.clineuro.2025.108743.
Suzuki Y. Risk factors for delayed encephalopathy following carbon monoxide poisoning: Importance of the period of inability to walk in the acute stage. PLoS One. 2021 Mar 31;16(3):e0249395. doi: 10.1371/journal.pone.0249395. -
慢性腎臓病研究
研究員:戸川 証 (副院長・腎臓内科 部長)タイトル CKD患者における橈骨動脈壁と腎機能低下速度についての検討 研究員 戸川 証 (副院長・腎臓内科 部長) 概要 保存期慢性腎臓病(CKD)において動脈硬化が腎機能低下速度に影響していることが知られているが、血管の病理組織変化と腎機能低下速度の関連については明らかでないことが多い。これまで、初回シャント作成時に橈骨動脈の一部を採取し、動脈壁の性状と腎機能低下速度、PWV、大動脈弓石灰化、頸動脈肥厚との関連を検討している。
タイトル E型肝炎後に発症し完全緩解した原発性膜性腎症 研究員 高野橋 誓子(腎臓内科 医長)
タイトル 末期腎不全患者における血液透析の計画導入・非計画導入の違いが入院中の身体機能に与える影響 研究員 永田 有沙(リハビリテーション科 理学療法士) 概要 This study revealed that unplanned hemodialysis initiation has a significantly negative impact on the physical function and ADLs of patients as compared with planned initiation. The unplanned induction group showed limited functional gains, particularly in the grip strength following dialysis initiation, and required longer hospital stays. These findings indicate that patients undergoing unplanned induction of dialysis require early intervention for structured rehabilitation. Further research is needed to develop effective interventions and rehabilitation strategies to mitigate physical decline in patients initiated on dialysis.
論文 Takanohashi S, Sugiura T, Koyano A, Ueno T, Rachi H, Shiratori K, Shimasaki M, Igarashi H, Kitayama Y, Togawa A. Complete remission of primary membranous nephropathy following hepatitis E infection. CEN Case Rep. 2023 Mar 2. doi: 10.1007/s13730-023- 00780-z.
Shimasaki M, Rachi H, Shiratori K, Takanohashi S, Uyama S, Yamada K, Totsuka Y, Takanohasi A, Shirota K, Nakamura H, Togawa A. Long-term outcomes of anterior chest wall arteriovenous graft with polyurethane. J Vasc Access. 2022 Nov;23(6):930-935. doi: 10.1177/11297298211012205 -
小児科研究
研究員:塩田 勉 (小児科 医長)タイトル 社会的ハイリスク症例に対する効果的な支援の検討 研究員 塩田 勉 (小児科 医長) 概要 特定妊婦・要保護児童・要支援児童などのいわゆる社会的ハイリスク症例への支援をすべく、市内の関係機関・関係者を集め、勉強会を行ってきた。虐待予防とポジティブ育児を目指す勉強会、SUPPORT(SUruga maltreatment Prevention and POsitive child Raising Team)カフェである。2-3か月に1回当院に集まり、お互いの活動や考えを共有し、普段困っていることなどを話し合っている。すぐに課題を解決することはなかなか難しいが、このカフェで話をすることで、支援の幅が広がる事例が増えている。今年度は、支援者同士のダイアローグをよりオープンに実践できる場として発展させていきたいと考えている。そして、その効果を評価することを検討していきたい。
論文 Sugiura T, Urushibata R, Fukaya S, Shioda T, Fukuoka T, Iwata O. Dependence of Successful Airway Management in Neonatal Simulation Manikins on the Type of Supraglottic Airway Device and Providers' Backgrounds. Children (Basel). 2024 Apr 28;11(5):530. doi: 10.3390/children11050530. -
呼吸器内科研究
研究員:土屋 一夫(呼吸器内科 医長)タイトル 気管支鏡検査における患者の不快感を低減する取り組み 研究員 土屋 一夫(呼吸器内科 医長) 概要 気管支鏡検査は、肺がんや間質性肺炎、特殊な呼吸器感染症が疑われる場合などに行われる一般的な検査であるが、咳嗽や呼吸苦などが生じることも多く、検査を受ける患者さんにとって苦痛を伴う可能性のある検査である他、検査を行う術者にとっても検査中の咳嗽は検査の一時的な中断や中止の原因になることがある。これまでの研究で気管支鏡検査中に鎮静剤を使うことで苦痛を減らし、より快適に検査できることが示されている。我々の施設の検討でも十分に鎮静し、検査中の記憶がない方が検査中の不快感が少ないということが示されており、我々の施設では鎮静剤を十分に使って検査を行っている。一方で適切な鎮静を行なっても、完全に咳嗽を抑えることは難しく、気管支鏡検査をより快適に受けて頂くために更なる工夫が求められている。我々は気道内の局所麻酔にスプレーカテーテルを使用することで検査中の咳を軽減し、局所麻酔薬の使用量を減らすことができることを報告した。また、検査中に持続的な唾液吸引を行うことで検査中の唾液による不快を軽減できるのではないかと考え検証したが、検査中の持続的な唾液吸引が、検査中の不快感を軽減させる結果には結びつかなかった。本邦では慣習的に気管支鏡検査前に抗コリン薬の前投薬を行うことが多いが、海外のガイドラインではルーチンの使用は勧められておらず、有効性は示されていない。一方で有効性を検証した臨床試験の多くは、15年以上前の試験であり、検査が複雑化し、デバイスも増加した現在の気管支鏡検査に適応できるかについては検証されていない。現在、抗コリン薬の使用により患者の不快感や術者の手技の快適性に良い影響をもたらすかを検討するための臨床研究を行っている。
論文 Sugiura T, Urushibata R, Fukaya S, Shioda T, Fukuoka T, Iwata O. Dependence of Successful Airway Management in Neonatal Simulation Manikins on the Type of Supraglottic Airway Device and Providers' Backgrounds. Children (Basel). 2024 Apr 28;11(5):530. doi: 10.3390/children11050530.
タイトル 血痰・喀血患者の自然歴および血管内治療効果の多施設前向き観察研究 研究員 土屋 一夫(呼吸器内科 医長) 概要 血痰・喀血は時に命に関わることがあるだけではなく、患者さんの生活の質を著しく低下させる種々の病態に伴って生じる症状である。血痰・喀血に対する治療には、止血剤、血管内治療(責任血管のカテーテル的塞栓術)、手術療法に大別される。大量喀血でない場合には止血剤の投与を行い、大量喀血に対しては、血管内治療や手術療法などの侵襲的治療が行われるが、手術療法は高い死亡率が報告されており、近年では血管内治療が選択されることが多い。また非大量喀血の患者さんに対しての血管内治療の適応基準については根拠となるエビデンスは乏しく、血管内治療の長期的な有効性や治療適応についてはさらなる検証が必要である。そのため、アンケートを用いて症状や生活の質を調査することで血痰・喀血患者の自然歴と治療効果を明らかにし、治療前の症状や生活の質を考慮した治療適応について検討するためのする前向き観察研究を行なっている。
タイトル 癌および癌微小環境の蛋白発現と免疫治療効果との関係 研究員 土屋 一夫(呼吸器内科 医長) 概要 癌および癌微小環境は免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するバイオマーカーとなりうるが、実臨床での利用は限られている。そこで当院で診断・治療された進行非小細胞肺癌症例を対象に、診断時に採取した残検体を利用し、癌および癌微小環境の蛋白発現を免疫組織化学法で評価し、予後や治療効果、その他の臨床情報との関連を解析する研究を行っている。我々の研究では、特定のタンパク質の発現が免疫チェックポイント阻害薬(PD-1抗体, PD-L1抗体)の予後予測因子となることが明らかとなっており、病理診断科と協力して進行非小細胞肺癌の1次治療薬を選択する際に、これらのバイオマーカーの情報を加えることができるような体制を構築している。また希少な病態、新規の検査や治療戦略を日々考察・考案するために最新の情報を収集する努力をしており、新規の知見については症例報告として学会や論文などで報告している。
論文 Tsuchiya K, Miyamoto R, Tsunoda T, Ito T, Akashi T, Oyama Y, Ikeda M. Diffuse Alveolar Hemorrhage Associated with Herbal Medicine: A Case Series and Literature Review. Intern Med. 2025 Mar 8. doi: 10.2169/internalmedicine.4960-24.
Tsuchiya K, Suzuki R, Miyamoto R, Tsunoda T, Ito T, Mori R, Akashi T, Oyama Y, Ikeda M. Ovarian Cancer with TTF-1-positive Giant Pleural Dissemination. Intern Med. 2024 Oct 18. doi: 10.2169/internalmedicine.4324-24.
T Ito, K Tsuchiya, R Mori, T Akashi, Y Oyama, M Ikeda. Successful osimertinib rechallenge without concomitant corticosteroids after osimertinib-induced pneumonitis. Respir Med Case Rep. 2024 Apr 27:49:102029. doi: 10.1016/j.rmcr.2024.102029. -
血液内科研究
研究員:海老澤 和俊(血液内科 医長)タイトル EBV陽性粘膜皮膚潰瘍に重症のメトトレキサート中毒を併発した症例に関する症例報告 研究員 海老澤 和俊(血液内科 医長) 概要 Background: Epstein–Barr virus-positive mucocutaneous ulcer is one of the mature B-cell lymphoproliferative diseases occurring in patients with immune dysfunction including those with immunosuppressive treatment such as methotrexate. Case presentation: A Japanese elderly man in his 80s with rheumatoid arthritis on methotrexate was admitted to our hospital complaining persistent pharyngeal pain. Laboratory tests revealed severe pancytopenia, elevated C-reactive protein, and increased creatinine levels. An otolaryngological examination showed ulceration of the right tonsil, from which diagnostic biopsy was performed. The diagnosis of Epstein–Barr virus-positive mucocutaneous ulcer was made and bone marrow aspiration revealed hypocellularity and megaloblastic changes. Pancytopenia was improved after discontinuing methotrexate, and repeated bone marrow aspiration test revealed recovery of normal cellularity and disappearance of dysplasia, confirming the diagnosis of methotrexate intoxication. Tonsil ulcer was improved only with discontinuation of methotrexate, which strongly supported the diagnosis of EBV-MCU. Conclusion: Our case suggested that even this best prognosis form of lymphoproliferative disease could lead to fatal complications if not appropriately managed.
論文 Ebisawa K, Iwashita T, Uchiyama K, Kitayama Y, Takeuchi T. Epstein-Barr virus-positive mucocutaneous ulcer resulting in severe methotrexate intoxication: a case report. J Med Case Rep. 2024 Aug 30;18(1):409. doi: 10.1186/s13256-024-04730-w. -
生理・行動・画像研究
研究員:榛葉 俊一 (精神科 部長)タイトル 精神症状の新たな生理学的評価法の開発 研究員 榛葉 俊一 (精神科 部長) 概要 電界処置がうつ病の脳波・自律神経に与える影響に関して検討した。うつ病患者は、心拍変動生理指標の内、副交感神経活動を反映するHF値の低下が知られているが、30kV, 60Hz, 20分間の電界処置により、HF値が、健常者レベルの回復することが認められた(IEEJ Trans, 2024)。また、精神性発汗に対する電界処置の影響を健常者で測定し、交感神経活動を反映する皮膚コンダクタンス自発変動の減少を認めた(Applied Sci, 2024)。今後うつ病の治療へ利用されることが期待される。また、これまでの電界の精神物理的な影響についての総説をまとめた(IntechOpen 2024)。せん妄の病態評価における脳波・自律神経検査の有用性に関しては、せん妄症状を呈す る患者において、頭頂部で開眼時と閉眼時の脳波を測定し、パワースペクトラムのパターンとせん妄の診療尺度であるIntensive Care Delirium Screening Checklistとの関連を解析した。安静時に頭頂部でシータからアルファの基礎律動が出現する患者では妄想幻覚などの精神症状が多く、基礎律動が認められない患者ではせん妄症状の日内変動が多いことが認められ、せん妄の評価における脳波計測の有用性が示された(Sensors, 2024)。現在、今回購入のEmbrace Plusを用いた自律神経計測を行っている。今後結果をまとめる。
タイトル 発達障害児における複数の遊具を用いた運動時の自律神経活動変化 研究員 杉山志保、伊井玄 (療育技術科、作業療法士) 概要 発達障害児(発達児)の作業療法において、ぼーっとしているまたは落ち着きがなく覚醒の障害が疑われる児を目にすることが多い。作業療法の遂行には一定の覚醒水準の維持が必要である。しかし発達障害児においては、前庭・固有感覚等の覚醒水準と関連のある感覚処理の障害が報告されており、覚醒水準の調整障害を引き起こしている可能性がある。本研究では、作業療法における課題遂行中の適切な覚醒水準への調整やパフォーマンス発揮を可能にするプログラム構成を検討すべく、臨床で用いる遊具で運動した時の発達児の覚醒水準を調査した。覚醒水準は、心拍変動(HRV)解析を用いて、心拍間隔の揺らぎを分析し、自律神経活動を介して評価した。その結果、定型発達児と比較した発達児の覚醒水準の特徴として、運動時に覚醒が高まりづらく、運動後は低覚醒が出現しやすいことが示唆された。加えて、遊具の特性により覚醒水準の変化することが明らかとなった。
今後、作業療法を継続的に実施した発達障害児における自律神経活動の変化を調査し、自律神経の側面からみた作業療法の効果を検討していきたいと考えている。
タイトル 妊娠期の活動と分娩の関連 研究員 平國 淳子 (北3病棟、助産師) 概要 近年、健康な妊婦が妊娠期に行う運動は、早産のリスクを上昇させることなく体重増加抑制や精神的健康度の向上に加え、妊娠高血圧腎症や妊娠糖尿病などの妊娠合併症などのリスク低減に効果があることがわかってきた。また、エコチル調査にて国際標準化身体活動質問票(以下IPAQと記す)を用いて測定した妊娠中の活動量が非常に少ないと早産のリスクが増すこと、さらには妊娠中の活動量が少ない群は、中等度の群より帝王切開になりやすいこと、非常に少ない群と、多い群で器械分娩になりやすいということがあきらかになった。しかし、まだ先行研究は少数で有り、そのほとんどが主観的な側面のある質問紙による評価となっている。そこで、客観的に評価できる指標である身体活動計を用いて妊娠後期に妊婦の身体活動量を計測し、さらにIPAC用いたアンケートを実施することで、妊娠末期の妊婦の身体活動の傾向を明らかにしていく。また妊娠末期の身体活動が分娩様式や分娩時間に及ぼす影響について検討していく。
タイトル AIアシスト放射線診断研究:胸部CT画像を用いた Covid-19肺炎のAI診断 研究員 山﨑 敬之 (放射線技術科、診療放射線技師) 概要 AI技術を利用して胸部CT画像を自動解析し、Covid-19による肺炎かどうかのAI診断を行い、医師による診断を補助するシステム開発を行っている。AIプログラムの開発はfcuro 社(岡田直己代表、大阪)との共同研究で、当院の救命救急科、内科系診療科との連携に基づいて実用化を目指している。
論文 杉山志保, 伊井玄, 榛葉俊一. 定型発達児における遊具運動時の自律神経検査を用いた覚醒 度評価. 静岡済生会総合病院医学雑誌 35(1):22-27,2025
赤堀照美, 白鳥智美, 杉山佳菜子, 畑澤優理, 赤堀景子, 山本佳世, 榛葉俊一. 要介助高齢入院 患者における乳液を用いた皮膚ケアの有効性について: 画像と皮膚水分量による評価お よび看護師の意識調査の分析. 静岡済生会総合病院医学雑誌 35(1): 1-6,2025
榛葉俊一.自律神経検査による精神疾患の理解.臨床精神薬理 28 (2) 115 – 125, 2025
榛葉俊一.心拍のリズムとゆらぎを精神医療に活用する:Three-Behavioral-State パラダ イム時の心拍変動解析.最新精神医学 30(1) 25-38, 2025
Shinba, T.; Fujita, Y.; Ogawa, Y.; Shinba, Y.; Shinba, S. The Presence/Absence of an Awake-State Dominant EEG Rhythm in Delirious Patients Is Related to Different Symptoms of Delirium Evaluated by the Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC). Sensors 2024, 24, 8097. https://doi.org/10.3390/ s24248097
Shinba T, Nedachi T, Harakawa S. Acute Treatment of 60-Hz Electric Field Increases Parasympathetic Activity in Depressed Subjects: A Pilot Study Using Heart Rate Variability Analysis. IEEJ TRANSACTIONS ON ELECTRICAL AND ELECTRONIC ENGINEERING, IEEJ Trans 2024, DOI:10.1002/tee.24240
Shinba, T.; Nedachi, T.; Harakawa, S. Decreases in Sympathetic Activity Due to LowIntensity Extremely Low-Frequency Electric Field Treatment Revealed by Measurement of Spontaneous Fluctuations in Skin Conductance in Healthy Subjects. Appl. Sci. 2024, 14, 9336. https://doi.org/10.3390/app14209336
Shinba, T. Functional Perspectives of Endogenous Electric Fields in Humans and Rodents: A Viewpoint on Ephaptic Physiology. In Fundamentals and Modern Applications; IntechOpen: London, UK, 2024. DOI: 10.5772/intechopen.1006618
Shinba T, Nedachi, T, Harakawa S. IEEJ Trans 2024, DOI:10.1002/tee.24240
Naoki Okada, Yutaka Umemura, Shoi Shi, Shusuke Inoue, Shun Honda, Yohsuke Matsuzawa, Yuichiro Hirano, Ayano Kikuyama, Miho Yamakawa, Tomoko Gyobu, Naohiro Hosomi, Kensuke Minami, Natsushiro Morita, Atsushi Watanabe, Hiroyuki Yamasaki, Kiyomitsu Fukaguchi, Hiroki Maeyama, Kaori Ito, Ken Okamoto, Kouhei Harano, Naohito Meguro, Ryo Unita, Shinichi Koshiba, Takuro Endo, Tomonori Yamamoto, Tomoya Yamashita, Toshikazu Shinba, Satoshi Fujimi. "KAIZEN" method realizing implementation of deeplearning models for COVID-19 CT diagnosis in real world hospitals. Sci Rep 2024 Jan 19;14(1):1672. doi: 10.1038/s41598-024-52135-y.
Shinba, T.; Suzuki, H.; Urita, M.; Shinba, S.; Shinba, Y.; Umeda, M.; Hirakuni, J.; Matsui, T.; Onoda, R. Heart Rate Variability Measurement Can Be a Point-of-Care Sensing Tool for Screening Postpartum Depression: Differentiation from Adjustment Disorder. Sensors 2024, 24 (5)1459. https://doi.org/10.3390/s24051459
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Shinba T, Kariya N, Matsuda S, Arai M, Itokawa M, Hoshi Y. Near-Infrared Time-Resolved Spectroscopy Shows Anterior Prefrontal Blood Volume Reduction in Schizophrenia but Not in Major Depressive Disorder. Sensors (Basel). 2022 Feb 18;22(4):1594. doi: 10.3390/s22041594. - 2022年度 研究概要と成果を用いた先進的なとりくみ
- 2023年度 研究概要と成果を用いた先進的なとりくみ
静岡済生会総合病院医学雑誌
本雑誌は、静岡県済生会・静岡済生会総合病院における研究・医療・教育・福祉活動などを掲載し、院内のみならず、社会における医学・医療の発展に寄与し、人の健康と福祉に貢献することを目的としています。
医学、歯学、看護学、薬学、心理、福祉、医療技術、医療事務などの幅広い領域から、研究的な内容だけでなく、日常業務の発展的な内容や毎年開催される院内研究発表会の抄録も掲載しております。
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