• 標準

背景色

外来診療情報

★初めて受診する場合は、当科あての紹介状が必要となります。
★再診予約制
★外来休診日:火・木曜日


外来担当医表

 
1診 長谷部 秀幸 長谷部 秀幸 長谷部 秀幸
2診 古屋敷 吉任 古屋敷 吉任

休診情報

土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)は休診です。
※急病等での交代はご容赦ください。

 
6月7日(金)午後
長谷部 秀幸
   

医師紹介

  • 長谷部 秀幸 (はせべ ひでゆき)

    補職名
    部長
    経歴
    山梨大学(平成14年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本不整脈心電学会認定 不整脈専門医
    日本内科学会認定内科医
    日本内科学会総合内科専門医
    日本循環器学会専門医
    日本周術期経食道心エコー認定医
    米国周術期経食道心エコー認定医
    日本心不全学会・日本不整脈学会主催「ペーシングによる心不全治療」研修履修認定医
    日本不整脈学会主催「植込み型除細動器(ICD)」研修履修認定医
    着用型自動除細動器処方資格医
    臨床研修指導医
    日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士
    日本心臓リハビリテーション学会東海支部評議員
    日本不整脈心電学会評議員
  • 古屋敷 吉任 (ふるやしき よしたか)

    補職名
    医長
    経歴
    熊本大学(平成21年卒)
    専門医等認定
    日本内科学会認定内科医
    日本内科学会総合内科専門医
    日本循環器学会専門医
    日本心血管インターベンション治療学会認定医

診療科紹介

循環器診療において、不整脈診療をより専門的に行っていく目的で平成26年4月より循環器不整脈科から独立しました。 頻脈性不整脈の方に対する経皮的カテーテルアブレーション、徐脈性不整脈の方に対するペースメーカ治療、重症心不全の方に対する心室再同期療法など、最新の侵襲的治療が可能です。これら侵襲的治療と薬物療法を中心とした非侵襲的治療をうまく組み合わせながら、患者さんにとってより良い方向に進むような治療を行っていきます。 外来診療は、月・水・金曜日に行います。特殊外来として水曜日の午後はペースメーカ外来を行っています。
カテーテルアブレーションやペースメーカ植え込みなどの侵襲的治療は原則として火・木曜日に施行しています。

主な対象疾患

頻脈性不整脈

心臓は全身の血液を循環させるポンプで、筋肉の集合体が電気の働きで動く仕組みになっています。 正常の脈は、洞結節から一定の電気信号が房室結節を介して心室に伝わる事で生み出されます。 治療を必要とする不整脈は、脈が速くなりすぎる頻脈性不整脈と、脈が遅くなりすぎる徐脈性不整脈に大別されます。
頻脈性不整脈には発作性上室性頻拍、WPW症候群、心房頻拍、心房粗動、心房細動、心室頻拍等が含まれます。 頻脈性不整脈に伴う自覚症状は、動悸、めまい、失神等です。 治療はカテーテルアブレーションと薬物療法がありますが、この内、発作性上室性頻拍症や通常型心房細動、特発性心室頻拍などはカテーテルアブレーションの治療成績が良好で、9割を超える成功率が見込めるため主流となっています。
従来は治療が難しいと考えられていた心房細動に対しても、カテーテルアブレーションの有効性が示されてきており、発作性心房細動の場合、1回の治療で約7割、2回の治療で9割以上の成功率が見込まれます。 薬剤が効かず、症状の強い方がカテーテルアブレーションの適応となりますが、薬剤が効く場合でも、薬剤からの離脱を目的に施行することがあります。 最近では、心房細動に対するカテーテルアブレーションを受けた方が受けていない方よりも生命予後が改善し(寿命が延びる)、脳梗塞発生率が低くなるというデータも示されており、希望がある方には積極的に行っています。通常の高周波カテーテルアブレーションでは根治し得ない難治例もいるため、根治率向上を期待してMarshall静脈へのエタノール注入療法も症例を選びながら取り入れています。新たなツールとして、冷凍凝固によって肺静脈を隔離させるクライオバルーンも用いています。手技時間が短いという利点があり、高齢者を中心に適応しています。
また、心室性不整脈を有する方では突然死のリスクがあるため、必要に応じて植え込み型除細動器 (ICD)の移植を行っています。従来は静脈を介してリード線を心臓まで到達させる機種しか利用出来ませんでしたが、静脈を介さず全てのシステムを皮下に移植する皮下植え込み型除細動器も利用可能になっております。リード寿命が長い、重度の感染を起こしにくいなどの利点がありますが、ペーシングが出来ない、心電図波形によっては誤作動を生じやすいなどの欠点もあります。症例毎に最適と思われる機種を選定しています。

徐脈性不整脈

徐脈性不整脈には洞結節の機能が低下する洞不全症候群と、房室伝導が障害される房室ブロックがあります。 現段階で有効な薬剤はほとんどなく、必要に応じて永久ペースメーカ移植を行っています。ペーシングに伴う弊害を出来るだけ少なくするため、心房・心室共にスクリューリードを用いて中隔に固定しています。
従来のリード線を用いるペースメーカは感染リスクや、心臓にアクセスする血管がない場合に挿入困難などの問題点がありました。これらの問題点を解決する新たなツールとして、カプセル型のリードレスペースメーカが利用可能となり当院でも導入しています。現在は心室にのみ留置可能なため、心房と心室を同期させる事は出来ず、心機能の点からは問題となる場合があります。心室ペーシング率があまり高くならないと予想される症例や徐脈性心房細動など、症例を選んで植え込みを行っています。
また、これまでペースメーカを移植された患者さんはMRI検査を受ける事が出来ませんでした。最近、MRI対応の機種が使用可能となったため、積極的に使用しています。インターネット回線を通じて、自宅にいる患者さんのペースメーカ情報をみる事が出来るホームモニタリングシステムも順次導入しています。異常を早期に発見する事ができ、将来的には患者さんの通院負担軽減に役立つと期待されています。

意識消失発作

心臓が一時的に極短な頻脈になったり、徐脈になったりすると心臓から脳に送られる血液が減少して意識消失発作を起こす事があります。意識が回復した後に検査をしても異常を認めないためなかなか診断が付かない症例も少なくありません。従来のホルター心電図や電気生理学的検査では原因が判明せず、意識消失発作を繰り返す患者さんには植え込み型ループレコーダーを積極的に使用しています。前胸部の皮下に植え込む事で、継続的な心拍のモニタリングが可能で、意識消失の瞬間を捉える事が出来ます。

心不全

心臓は全身の血液を循環させるポンプですが、何らかの原因でその働きが破綻する事を心不全といいます。軽症のものは薬物治療でコントロール可能ですが、拡張型心筋症、心筋梗塞などを基礎疾患とする重症の方には、両心室ペーシング治療などの非薬物療法も必要となってきます。両心室ペーシング治療とは、右室と左室の両方にペーシングリードを留置し、機械的同期性を回復させ、心機能の改善を目的とするものです。約3割の方が治療に反応せず、今後の課題です。
また最近では、重度の心不全の方に対する在宅陽圧換気療法も普及してきており、当科でも適応のありそうな方に治療を開始しています。

データベース登録事業への参加について

当院では日本不整脈心電学会主導のカテーテルアブレーション全国症例登録研究(J-AB 2022)に参加しています。
これは、本邦におけるカテーテルアブレーション治療の現状を把握することで、不整脈診療におけるカテーテルアブレーションの有効性・有益性・安全性およびリスクを明らかにすることを目的に行っているものです。
J-AB 2022について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい(J-AB2022について)

実績

2021年不整脈科診療実績

治療方法 病状 件数
電気生理学的検査   1例
カテーテルアブレーション 房室結節回帰性頻拍症 16例
房室回帰性頻拍症 4例
通常型心房粗動 3例
心房頻拍/非通常型心房粗動 8例
心房細動(再発例16例を含む) 56例
心室性期外収縮 16例
心室頻拍 3例
房室結節離断術 0例
合計 106例
デバイス治療 従来型ペースメーカ新規 29例
リードレスペースメーカ新規 7例
ペースメーカ交換 8例
心臓再同期療法導入 3例
植え込み型除細動器(ICD)新規 3例
皮下植え込み型ICD新規 1例
ICD交換 6例
植え込み型ループレコーダー交換 1例
合計 58例

学会発表(2020年)

  • 古屋敷 吉任、長谷部 秀幸: Oral caffeine intake amplified the response to isoproterenol in patients with frequent premature ventricular contractions.第84回 日本循環器学会学術集会(7月,Web開催)
  • 古屋敷 吉任、長谷部 秀幸:順行性の遅伝導路に対する通電により逆行性伝導も離断された房室結節回帰性頻拍症の一例.第242回日本内科学会東海地方会 (10月、Web開催)
  • 長谷部 秀幸、古屋敷 吉任:隔離中に一過性に離断された右肺静脈-右房間心外膜伝導を有する一例.第242回日本内科学会東海地方会 (10月、Web開催)

論文業績(2014年以降)

  • Yoshihara T, Hasebe H, Shimasaki M, Uyama S, Takanohashi S, Togawa A, Takanohashi A, Shirota K, Nakamura H. Acute heart failure due to chronic juxtarenal aortic occlusion in a patient with antiphospholipid antibody syndrome. J Cardiol Cases. 2014; 10: 69-72.
  • Hasebe H, Yoshida K, Iida M, Hatano N, Muramatsu T, Aonuma K. Right-to-left frequency gradient during atrial fibrillation initiated by right atrial ectopies and its augmentation by adenosine triphosphate: Implications of right atrial fibrillation. Heart Rhythm. 2016; 13: 354-363.
  • Hasebe H, Takanohashi A, Shirota K, Nakamura H. Infective endocarditis with intermittent atrioventricular block and pseudoaneurysm of the mitral-aortic intervalvular fibrosa in a patient with severe aortic stenosis.Internal Medicine. 2016; 55: 2825-29.
  • Hasebe H, Iida M, Hatano N, Muramatsu T. Trade-off between elimination of premature ventricular complexes and loss of synchronized left ventricular pacing improved cardiac function in a patient with heart failure. Indian Pacing Electrophysiol J. 2016; 16: 99-101.
  • Yoshida K, Hasebe H, Tsumagari Y, Tsuneoka H, Ebine M, Uehara Y, Seo Y, Aonuma K, Takeyasu N. Comparison of pulmonary venous and left atrial remodeling in patients with atrial fibrillation with hypertrophic cardiomyopathy versus with hypertensive heart disease.Am J Cardiol. 2017; 119: 1262-68.
  • Hasebe H, Yoshida K, Iida M, Hatano N, Muramatsu T, Nogami A, Aonuma K. Differences in the structural characteristics and distribution of epicardial adipose tissue between left and right atrial fibrillation. Europace. 2018; 20:435-442.
  • Hasebe H. Multiple pacemaker lead breakages due to clavicle dislocation following clavicle fracture. Indian Pacing Electrophysiol J. 2017; 17: 160-162.
  • Hasebe H. A patient with left bundle branch block and persistent atrial fibrillation treated with cardiac catheter ablation and pharmacological cardiac resynchronization therapy without the use of an implantable cardiac device. Am J of Case Rep. 2018;19:123-127.
  • Hasebe H. Simultaneous intracardiac pressure measurement to detect the origin of pressure gradient in a patient with coexisting aortic stenosis and asymmetrical interventricular septal hypertrophy. Am J Case Rep. 2018;19: 1253-1257.
  • Hasebe H, Yokoya T, Murakoshi N, Kurebayashi N. Pilsicainide administration unmasks a phenotype of Brugada syndrome in a patient with overlap syndrome due to the E1784K SCN5A mutation. Intern Med. 2020;59:83-7.
  • Hasebe H, Yoshida K, Nogami A, Ieda M. Difference in epicardial adipose tissue distribution between paroxysmal atrial fibrillation and coronary artery disease. Heart Vessels. 2020;35:1070-8.
  • Hasebe H, Shinba T. Decreased anxiety after catheter ablation for paroxysmal atrial fibrillation is associated with augmented parasympathetic reactivity to stress. Heart Rhythm O2. 2020;1:189-9.
  • Hasebe H, Yoshida K, Furuyashiki Y, Nogami A, Ieda M. Oral caffeine intake amplifies the effect of isoproterenol in patients with frequent premature ventricular contractions. Europace. 2020;22:1261-9.
  • Hasebe H, Furuyashiki Y, Yoshida K. Temporal elimination of an interatrial epicardial connection by ablation encircling the right-sided pulmonary veins. HeartRhythm Case Rep. 2020;6:841-4.
  • Hasebe H, Yoshida K, Nogami A, Furuyashiki Y, Hanaki Y, Baba M, Ieda M. A simple pacing maneuver to unmask an epicardial connection involving the right-sided pulmonary veins. J Cardiovasc Electrophysiol. 2021;32:287-96.
  • Hasebe H, Furuyashiki Y, Yoshida K. Epicardial bypass tract at the left atrial diverticulum. Eur Heart J Case Rep. 2021;5:ytab099.
  • Hasebe H, Furuyashiki Y. Potential focal drivers of atrial fibrillation at the left atrial roof vein. HeartRhythm Case Rep. 2021;8:5-8.