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外来診療情報

★再診予約制


外来担当医表

 
1診 土屋 智敬 鈴村 潔 寺﨑 正起 / 張 丹 岡本 好史 鈴村 潔
2診 福井 史弥 西前 香寿 土屋 智敬 田中 征洋 西前 香寿
3診 張 丹 田中 征洋 川上 次郎 福井 史弥 川上 次郎

休診情報

土・日曜日、祝日、年末年始は休診です。
※急病等での交代はご容赦ください。

医師紹介

  • 岡本 好史 (おかもと よしちか)

    補職名
    病院長・部長
    経歴
    名古屋大学(昭和63年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医
    日本消化器外科学会認定医
    日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 鈴村 潔 (すずむら きよし)

    補職名
    副院長・部長
    経歴
    名古屋大学(平成6年卒)
    専門医等認定
    日本外科学会認定外科専門医・指導医
    日本消化器外科学会専門医・指導医
    検診マンモグラフィ読影認定医
    日本乳癌学会認定医
    麻酔科標榜医
    日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター
  • 土屋 智敬 (つちや とものり)

    補職名
    副部長
    経歴
    熊本大学(平成14年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医
    日本消化器外科学会専門医・指導医
    日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
    日本消化器病学会専門医
    日本胆道学会指導医
    検診マンモグラフィ読影認定医
    日本乳癌学会認定医
    日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター
  • 西前 香寿 (にしまえ かずみ)

    補職名
    副部長
    経歴
    札幌医科大学(平成15年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医
    検診マンモグラフィ読影認定医
    日本乳癌学会認定医
    日本乳癌学会乳腺専門医・指導医
    日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    日本遺伝性腫瘍学会認定遺伝性腫瘍専門医
  • 田中 征洋 (たなか まさひろ)

    補職名
    副部長
    経歴
    三重大学(平成16年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医・指導医
    日本消化器外科学会専門医・指導医
    日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
    日本大腸肛門病学会専門医
    日本内視鏡外科学会技術認定取得(消化器・一般外科)
    ロボット支援手術認定医(da Vinci Xi)
    内痔核治療法研究会四段階注射法講習会受講修了
    日本ロボット外科学会国内B 級ライセンス
    日本内視鏡外科学会認定ロボット支援手術プロクター(消化器・一般外科)認定臓器:結腸
  • 川上 次郎 (かわかみ じろう)

    補職名
    医長
    経歴
    名古屋大学(平成18年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医
    日本食道学会食道科認定医
    日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
    日本消化器外科学会消化器外科専門医
  • 福井 史弥(ふくい ふみや)

    補職名
    医長
    経歴
    三重大学(平成26年卒)
    専門医等認定
    日本外科学会認定外科専門医
    がんの診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会 修了
  • 寺﨑 正起 (てらさき まさき)

    補職名
    医師・臨床検査科科長
    経歴
    金沢大学(昭和55年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医・指導医
    日本消化器外科学会指導医
    日本消化器病学会消化器病専門医・指導医
    日本肝胆膵外科学会評議員
    日本肝胆膵外科学会名誉指導医
    日本肝胆膵外科学会高度技能指導医
  • 張 丹 (ちょう たん)

    補職名
    非常勤
    経歴
    中国吉林大学(平成13年卒)
    東京医科歯科大学大学院(平成19年卒)
    専門医等認定
    医学博士
    日本外科学会認定外科専門医

診療科紹介

がん診療に力を入れており、インフォームドコンセントを通して個々の患者さんに合わせた治療を行います。『がんトータルケア』のコンセプトのもとに「治す医療」から「支える医療」まで、多職種連携で切れ目なく患者さんをサポートします。

  • *インフォームドコンセント:病状や推奨される治療法の選択肢をご説明した上で、患者さんやご家族のご意見やご希望をうかがって治療方針を決めること。

がんトータルケア~「治す医療」と「支える医療」

当科では日本がん治療認定医機構がん治療認定医5名に加え乳腺専門医も在籍し、消化器がん、乳がんの手術・薬物療法・放射線療法など、基本的に全ての標準治療が可能です。「治す医療」では、術前後の補助療法から再発治療まで、丁寧で良質な診療を心がけています。2017年4月に移設した化学療法センターは、ベッド数が増え個室も完備しています。
また、「支える医療」では、緩和医療科と連携した緩和治療、化学療法センターを中心とした支持療法(治療の有害事象**対策)とともに、栄養やリハビリに関するサポート、治療費や就労に関する相談、在宅療養につなぐ支援など、患者さんに安心してがん診療を受けていただける体制をつくっています。

  • *標準治療:科学的根拠に基づいた観点から現在利用できる最良の治療のことで、診療ガイドラインなどに沿って行われます。
  • **有害事象:副作用や合併症など

学会認定

  • ・日本外科学会 外科専門医制度修練施設
  • ・日本消化器外科学会 専門医修練施設
  • ・日本乳癌学会 認定医・専門医制度関連施設

NCD事業への参加について

当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

詳細はこちら(PDF)
一般社団法人National Clinical Database(NCD)ホームページ

主な対象疾患

消化器外科(消化器・腹部領域)

当科の消化器外科領域ではよりからだの負担が少ない外科治療を目指し、腹腔鏡下手術を積極的に取り入れています。各種緊急手術においても手術センターとの連携により、常に腹腔鏡手術を行える体制を整えています。


がん、腫瘍

がん診療ガイドラインに基づいて治療や手術法を選択しています。がん治療では根治性と安全性、さらにQOL**のバランスを考えた手術が極めて重要ですが、食道がん、胃がん、大腸(結腸・直腸)がん、肝腫瘍などでは、この点に十分配慮しながら積極的に鏡視下(腹腔鏡・胸腔鏡)手術を行っています。進行したがんでは病状により薬物療法や放射線療法も併用しながら手術法を選択します。

  • *根治:がんが完全に治癒すること
  • **QOL(Quality Of Life):(治療後の)生活の質

  • ・食道がん
    進行食道がんの治療では術前に薬物療法や放射線療法を行った上で手術を行う症例が増えています。従来の開胸・開腹手術に加え、鏡視下(腹腔鏡・胸腔鏡)手術も病状に応じて選択しています。
  • ・胃がん
    上部消化管造影検査、内視鏡検査および生検、超音波内視鏡にて診断し、治療方法を決定しています。早期がんに対しては、内視鏡的切除、部分切除、腹腔鏡下手術を行っています。進行がんに対しては、リンパ節廓清を含めた積極的な切除を行い、進行度に応じた術後化学療法を行っています。
  • ・大腸がん
    腹腔鏡下手術を積極的に取り入れ低侵襲手術を施行しています。進行がんに対しては、転移巣も含めた切除と化学療法を併用し治癒率の向上を目指しています。
  • ・肝がん、胆道がん、膵がん
    胆道がん・膵がんは開腹手術により根治性を追求し、高難度症例は静岡がんセンター肝胆膵外科と連携して治療を行っています。転移性肝がんに対しては積極的に切除を行う一方、非切除例も含め化学療法を中心とした集学的治療を行っています。
    • *集学的治療:手術、薬物療法、放射線療法などを組み合わせて行うがん治療

胆石、胆嚢炎、虫垂炎

腹腔鏡下手術を標準治療とし、急性胆嚢炎についてもリスクを考慮したうえで早期の腹腔鏡手術を行います。



イレウス(腸閉塞)

腹腔鏡は診断にも有用で、手術をせずに治すことが困難な腸閉塞を早期に診断・治療できるようになりました。



鼠径ヘルニア

患者さんの状態や希望に合わせ、局所麻酔または腰椎麻酔下の従来法か、全身麻酔下の腹腔鏡手術を選択します。



腹壁ヘルニア

術後の痛みが少ない腹腔鏡下手術を基本としています。



尿膜管遺残症

臍炎を起こしている場合はドレナージなどで鎮静化した後、腹腔鏡による尿膜管切除を行います。



痔核

従来の結紮切除に加えALTA療法(ジオン注射)も行います。

乳腺外科(乳腺領域)

乳腺診療では、手術、薬物療法、放射線療法などの診療ガイドラインに沿って集学的治療を行っています。治療方針については、乳腺専門医を中心とした多職種カンファレンスを定期的に実施し決定しています。

実績

手術実績

術式 2021年 2022年 2023年
乳がん手術 93 82 86
胃切除術 25(9) 17(12) 20(14)
結腸切除術 73(50) 51(34) 55(41)
直腸切除術 15(13) 14(10) 34(22)
食道切除術 1(1) 4(4) 4(4)
肝切除術 15(3) 12(12) 11(5)
膵切除術 6(0) 8(1) 9(1)
胆のう摘出術 59(58) 63(60) 67(66)
虫垂切除術 43(41) 45(44) 65(65)
腸閉塞手術 39(22) 39(21) 35(26)
ヘルニア手術 74(34) 120(51) 103(57)
肛門疾患手術 9 9 18

※( )内は腹腔鏡手術またはロボット手術

乳腺外科紹介

当院は、乳腺専門医、乳癌学会認定医、検診マンモグラフィ読影認定医により、充実した診療体制を築いています。マンモグラフィや乳腺エコー、触診による乳腺疾患のスクリーニングはご予約がなくても来院当日に結果までご説明可能です。
画像診断にはトモシンセシス(マンモグラフィ断層撮影)、MRI、造影エコーなどを駆使し、病理診断では穿刺吸引細胞診や穿刺生検に加え、微小な石灰化病変も穿刺吸引生検装置「エンコア」を用いて、マンモグラフィ下に生検可能です。
乳がん手術では、根治性と低侵襲性・整容性のバランスを考慮し、患者さんとよく話し合って治療方針を決定します。リンパ節郭清を省略できる症例を確認するためのセンチネルリンパ節生検では「ラジオアイソトープ(RI)法」と「色素法」の併用で診断します。診断精度を上げ手術創を小さくできるなどの利点があります。
整容性の点では乳腺を部分的に切除する温存手術の他、全摘の場合の乳房再建も形成外科と連携して積極的に行っております。日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の再建実施認定施設として保険診療による再建も可能です。

乳がんの診断


乳がんの外来診察では、受診日に視触診、マンモグラフィー(乳房X線撮影)、乳腺超音波検査の検査を行い、同日中に診断結果と治療方針を説明いたします。


乳房X線撮影(マンモグラフィ)

乳房は、全体が柔らかい組織でありX線の吸収差が少ないため、通常のX線装置では撮影することができません。そのため、乳房専用のX線装置を使用します。乳房を撮影するのに適したX線を使用することで、乳房の異常を写し出すことができます。
触ってもわからないような早期の小さな乳がんはもちろん、しこりを作らない乳がんを腫瘤影や細やかな石灰化像として見つけることができます。
当院では、撮影はマンモグラフィ認定の資格を有した女性診療放射線技師が担当します。

乳腺超音波検査

嚢胞と診断した場合は経過観察。 線維腺腫でも、悪性の可能性を疑わせる所見があると診断した場合は、(基本的に)穿刺吸引細胞診検査を行います。がん陽性の場合は更に精密検査を行います。陰性の場合は原則的に経過観察します。ただし腫瘤が3cm以上の場合は葉状腫瘍との鑑別が問題となるので、摘出生検(しこりそのものを直接手術で取って調べる検査)を行う場合があります。
がんを疑う場合、またはがん陽性の場合は、更に精密検査を行います。
しこりの硬さを画像化し、圧迫による変形の程度を色分けできるエラストグラフィーを導入し、エコーによる診断精度の向上を目指しています。

乳汁分泌物

マンモグラフィ、乳腺超音波検査に加えて、乳汁細胞診検査、乳管造影撮影を行っています。マンモグラフィ、乳腺超音波検査で乳がんが疑われ、細胞診検査でがん陽性(乳がん疑い以上)と診断された患者さんについては、外科治療の適応と考え術前検査を進めていきます。

術前画像検査

  • ・胸部X線撮影
  • ・CT検査・MRI検査
  • ・腹部超音波検査
  • ・骨シンチ検査
  • ・リンフォグラフィー:センチネルリンパ節(がんから一番近い脇の下のリンパ節)を造影する検査です。

乳がんの外科治療

乳房温存療法

原則的に以下の条件を満たし、更にご本人が温存療法を希望された場合には乳房温存手術(乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検または腋窩郭清)を施行しています。術後、同意を得たうえで残存乳房に対して放射線照射を行います。

  • 1) 腫瘍の大きさが3㎝以下
  • 2) 画像診断で、広範な乳管内進展を示す所見を認めない
  • 3) 乳頭腫瘍間距離が2㎝以上(例外あり)

胸筋温存乳房切除術

温存手術以外の患者さんには、原則として乳房切除術(乳房全摘除術+センチネルリンパ節生検または腋窩郭清)を施行しています。更に、ご本人の希望により、当院形成外科にて乳房再建術を施行します。 また、適応のある患者さんには、皮下乳腺全摘術(従来は一部切除していた乳房の皮膚をできるだけ温存する手術)を施行しています。

センチネルリンパ節生検

がんのしこりからがん細胞が流れ出して最初にたどり着く腋窩のリンパ節をセンチネルリンパ節と呼びます。手術中にセンチネルリンパ節を採取して迅速病理検査を施行する方法をセンチネルリンパ節生検と言います。この検査でリンパ節にがんを認めなければ、腋窩郭清を省略できます。

乳がんの術前化学療法

腫瘍の大きさが3㎝以上、または腫瘍の大きさが2㎝以上かつ腋窩リンパ節転移陽性の場合、手術前に化学療法を施行し、腫瘍を小さくしてから手術することがあります。

乳がんの術後補助療法

手術で切除した標本は通常の組織診断、リンパ節転移の検査に加えて、全例免疫組織化学検査でエストロゲンレセプタ(ER)、プロゲステロンレセプタ(PgR)、HER2蛋白について検索します。
検査の結果から次のような術後補助療法を行います。


HER2検査 ホルモンレセプタ検査 術後補助療法
ホルモン療法
化学療法
化学療法+抗HER2療法+ホルモン療法
化学療法+抗HER2療法

※化学療法は原則としてFECまたはEC療法を最初に行っています。

乳がん再発後の治療

再発乳がんに対しては、転移臓器、転移程度、ホルモン感受性、年齢、閉経状況を評価した後、原則的に化学療法、ホルモン療法、放射線療法のいずれかあるいはこれらを組み合わせて治療を行っています。当院には、緩和医療科の常勤医がおり、外来・入院共にサポーティブケアの体制が整っています。