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概要

放射線技術科では当院の理念に基づき「安心・安全な検査・治療」を心がけています。
また積極的に専門資格の取得に努め、診断に適した質の高い画像を提供します。診療放射線技師30名が医師、看護師、医学物理士ほか院内のスタッフと協力して検査や治療を行っています。超音波検査に関しては臨床検査技師と合同で担当しています。
主な機器はCT、MRI、一般撮影、マンモグラフィ、デンタル+歯科用CT、骨密度、X線透視、核医学、放射線治療、血管撮影、超音波検査があります。

部門情報

検査紹介

一般撮影室

一般的にレントゲン(X線撮影)と呼ばれる検査で、胸部、腹部や全身の骨などの撮影を行っています。3つの撮影室全てにFPD撮影(フラットパネルディテクタ)装置が導入されています。撮影後わずか数秒で画像の確認ができるなど検査時間の短縮と、高画質かつ低X線量の撮影が可能となり、患者さんへの被ばくも低減されています。

CT撮影室

当院は、2台の64列MDCTを使用して、頭部から四肢まで短時間で高精細に断層撮影しています。
また、造影剤を使用して心臓の冠状動脈や脳血管、大動脈、下肢の血管などの3D画像を作成したり、任意の断層面を作成するなど、医師のニーズに合わせた情報を提供しています。

MRI検査室

MRIとは磁気共鳴画像を意味し、強力な磁石と電波を使い核磁気共鳴現象と呼ばれる現象を利用して、任意の断層像を容易に得ることができ、造影剤を使わずに血管の観察をすることができます。CTと違いX線を使わないので、放射線被ばくがありません。
当院は、1.5T(テスラ) 装置2台で検査を行っており、MRI対応ペースメーカー装着患者さんのMRI検査も行っています。
また、全身MRI検査による最新の画像技術「DWIBS(ドゥイブス)検査」を行っています。DWIBS検査は、MRIを使用して体の広い範囲にわたって、がんや転移を探す全身検査で、年間を通じ200件程度を実施しています。

マンモグラフィ撮影室

乳房撮影専用装置(Sonographe Essential FPD型)を使用しています。乳腺内の微細石灰化や微細構造をよりシャープに描出でき、診断能力の高い画像を提供できます。またこの装置はステレオ下吸引バイオプシーやトモシンセシス(断層撮影)の機能も備えています。乳がん検診から精密検査まで、女性の診療放射線技師が担当しています。

骨密度検査室

骨塩定量装置(Discovery A型)を使用し、DXA法(Dual Energy X-ray Absorptiometry)というエネルギーが異なる2種類のX線を利用する方法で、カルシウムなどのミネラルが骨にどれくらい含まれるかを測定します。
骨密度の測定は骨粗鬆症の診断だけでなく、予防という観点からも非常に重要な検査となってきています。

透視検査室

内視鏡検査をはじめ呼吸器内科・泌尿器科・整形外科など全ての診療科の検査に対応できるように、Cアーム型X線透視診断装置を2部屋に設置しています。患者さんの体位を変えることなく様々な角度から確認できます。
また、救命救急センター専用の一般撮影室内にもX線透視診断装置が設置されており、救急患者さんを移動させることなく検査や処置をすることができます。

核医学検査室(アイソトープ)

微量の放射線を放出する放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という薬剤を投与して、体外から出る放射線を計測して骨転移、狭心症、認知症などの診断をします。
核医学検査は、核医学画像とCT画像の融合画像が作成できる装置を導入しており、通常画像の他に定量表示、診断ソフトなども活用しています。
また、核医学治療は、アルファ線による去勢抵抗性前立腺がん治療を実施しています。

放射線治療室(ライナック)


放射線治療は、切らずに治すがん治療です(良性疾患に行う場合もあります)。
当院においては、放射線治療を行うための装置(ライナック)が一台稼働しています。
放射線治療は、治療体位でのCT画像を撮影後放射線治療専門医が標的となる治療体積を決定(治療計画)します。その後、治療計画通りに身体の外側からX線・電子線を照射して、病気の根治あるいは緩和を目的とした治療を実践していきます。外来での標準的な治療は、一定期間毎日通院にて行います。
息止めの治療を行う場合には、事前に練習を行います。

2022年 90件
2023年 126件
※2022年1月~5月中旬 装置更新のため休止

ライナック装置
治療計画CT装置
治療計画装置

血管撮影室

血管撮影室では検査だけでなく、カテーテルを使用して血行再建術、動脈塞栓術などの血管内治療(IVR)や不整脈治療も数多く行われています。
血管撮影装置は10インチ×10インチフラットパネル搭載バイプレーン装置と19インチフラットパネル搭載シングルアーム装置の2台が設置されています。これらの装置は最新の3D解析ツールを備えて精度の高い診療支援を行います。他にも、血管内超音波、光干渉断層装置、冠動脈内圧測定、不整脈三次元マッピングシステム、冷凍アブレーション装置なども備えています。

超音波検査

放射線技術科と臨床検査科の技師で超音波検査を担当しています。

超音波科

放射線検査を受けられる方へ

はじめに

放射線検査は体内の状態を可視化することで、病気の診断や治療の方針・効果判定に役立ち、患者さんに大きな利益をもたらします。一方放射線を使うことによる「被ばく」というリスクも存在し検査を不安に感じる方も多いと思います。しかし、どの検査にもメリットやデメリットが存在します。放射線被ばくをむやみに恐れるのではなく、正しく理解した上で検査を受けることが大切です。

放射線の人体への影響

放射線が人体に与える影響については「確定的影響」と「確率的影響」の二つに分けて考えられています。


◎「確定的影響(組織反応ともいいます)」(白内障・不妊・脱毛・皮膚の紅斑など)
ある一定以上の放射線を受けなければ現れてこない白内障・不妊・脱毛・皮膚の紅斑などの人体への影響のことを確定的影響といいます。その影響が現れる一定量をしきい値といいます。しきい値は、その影響が認められる下限値(影響が出始める)となります。しきい値以下の線量では、被ばくしても発生確率はほぼゼロです。通常の放射線検査でこのしきい値を超えることはありません。

◎「確率的影響」(発がんや遺伝的影響)
一定量の放射線を受けても、必ずしも現れるわけではなく、放射線を受ける量が多くなるほど現れる確率が高まる影響のことをいいます。発がんや遺伝的影響については、放射線の影響なのか自然発症なのか見極めが難しいため、しきい値がないと仮定されています。しかし、原爆被ばく者を対象とした疫学調査では、100mSv以下の被ばくでは、がんの発生確率はほとんど増加しないということが分かっています。

※放射線検査でこのような影響を心配する必要はありません。何か不安がある場合は、医師や診療放射線技師までお尋ねください。

放射線検査におけるベネフィット(利益)とリスク(不利益)

放射線検査により、多くの利益を得ることになりますが一方で医療被ばくというリスクも存在します。しかし医療行為のすべてにリスクは存在します。逆に、医療を受けないという選択にもリスクは存在します。患者さんへの放射線の利用は利益が十分に大きい時にのみ行われています。病気があるかどうか、またどんな病気かわからなければ治療はできず、放射線検査を受けないことによって病態を悪化させてしまうリスクがあるということも忘れてはなりません。よってその放射線検査が患者さんにとっていかに必要不可欠かという事を理解していただくことが非常に重要となっています。

被ばく線量低減についての取り組み

当院では放射線検査による被ばく線量が適切であるかどうか定期的に測定し、関連学会のガイドラインを参考に被ばくの低減に取り組んでいます。検査時には診療放射線技師が患者さんの体格や状態によって診断に必要な範囲の適正線量を照射することで被ばく低減に努めています。また 患者さんごとや検査ごとに線量を記録しお問い合わせにお応えできるよう体制を整えているところです。当院で使用している放射線機器につきましても始業前点検、定期点検を行い品質管理徹底に努め安心して検査を受けていただけるよう取り組んでいます。

放射線機器

配置場所 放射線機器 台数
東館 地下1階 核医学診断装置(SPECT-CT) 1
1階 一般撮影装置 2
CT装置(64列) 2
救命救急センター用一般撮影装置 1
X線透視装置 1
ポータブルX線撮影装置 1
2階 Cアーム型透視装置 2
乳腺撮影装置 1
骨塩定量装置 1
一般撮影装置 1
歯科用X線撮影装置 1
歯科用CT装置 1
3階(OP室) 外科用イメージ 4
ポータブルX線撮影装置 1
MRI棟 地下1階 MRI(1.5T) 2
放射線治療装置 1
1階 結石破砕装置 1
北館 3階 血管撮影装置(バイプレーン、シングルプレーン) 3
7階 検診用胸部撮影装置 1
胃部撮影装置 1
その他 ICU/NICU/
救命救急センター
ポータブルX線撮影装置 各1
検診バス 検診車載胸部X線撮影装置・胃部X線撮影装置 1

認定・資格取得者

資格・認定 人数
第1種放射線取扱主任者 2
胃がん検診専門技師 4
胃がんX線検診読影部門B資格 2
医用画像情報精度管理士 2
検診マンモグラフィ撮影認定技師 9
デジタルマンモグラフィ品質管理 3
X線CT認定技師 2
放射線管理士 5
放射線機器管理士 5
Ai 認定技師 2
日本磁気共鳴専門技術者 1
救急撮影認定技師 2
BLSインストラクター 2
ICLSインストラクター 1
血管診療技師 1
超音波検査士(体表臓器) 2
超音波検査士(消化器) 3
超音波検査士(血管) 1
超音波検査士(循環器) 2
(2020年2月1日現在)

スタッフボイス

staff.01

切磋琢磨。日々の成長を実感できる

入職8年目職員 女性

当院の診療放射線技師は入職後、まず一般撮影と夜勤に向けて救命救急センターで撮影するCT、頭部や椎体のMRI、ポータブル撮影等を覚えます。その後、各モダリティで専門性を高めます。
私は、現在MRIの業務を担当していますが、MRIは奥が深いので、勉強会や研修会などで新しい知識を得たり、先輩に指導していただきながら少しでも患者さんに有益な画像を撮影できるよう努めています。
また、女性放射線技師はマンモグラフィ検査も担当するため認定資格を取得し知識を深めています。

staff.02

患者さんの声を写真にする

入職13年目職員

診療放射線技師とは、病(やまい)の写真家です。
より良い写真を撮るためには、優れた撮影技術と幅広い医学知識が必要です。
当院の放射線技術科は色々な検査機器があり、着実にステップアップしていける環境が整っています。職場の雰囲気も良く、技師同士で助け合いながら日々業務しています。
救命救急センター業務では医師、看護師などとチームを組み、診療放射線技師として救急現場の最前線で活躍することが出来ます。