• 標準

背景色

コミュニケーションペーパー「Home」

Home vol.35:DOCTOR'S VOICE VOL.55 女性泌尿器科

女性泌尿器科
宮下 由紀恵
科長/日本泌尿器科学会専門医/日本泌尿器科学会指導医

宮下由紀恵医師(女性泌尿器科)

DATA.1
女性特有の泌尿器の病気を診療する女性泌尿器科は現在、初診の予約が3カ月待ちになるほど多くの患者さんが受診しています。デリケートな悩みを抱える患者さんの思いに応えているのが女性の宮下医師です。

DATA.2
埼玉県出身。女性泌尿器科医の必要性を感じて「亀田メディカルセンター ウロギネ・女性排尿機能センター」で学び、2017年より当院へ。趣味のゴルフのスコアは100前後。


「骨盤臓器脱」は決して
珍しい病気ではありません。

 女性泌尿器科は、泌尿器科と婦人科の狭間的な診療科です。膀胱炎や頻尿といった男女共通の病気は一般の泌尿器科でも診療していますが、女性特有の病気を専門的に診るのがこの科です。
 最も多い病気の一つが「骨盤臓器脱」。骨盤内の支持力が弱まって、膀胱や子宮、直腸が下がり膣から出てくる病気で、放っておくと見た目にもわかるほど出てきます。出産や肥満、加齢によって発症することが多く、スウェーデンの調査では出産経験者の40%がこの病気と言われるほど。決して珍しい病気ではないのです。数が多いわりにあまり知られていないのは、とてもデリケートなため人には言えないという方が多いからですね。
重症の場合は手術で治療しますが、初期なら骨盤底筋体操で骨盤周りの筋肉を鍛えたり、補整下着を使ったりして、地道に改善を図ります。
 骨盤臓器脱の他にも、尿失禁や頻尿、間質性膀胱炎といった病気の患者さんが女性泌尿器科を受診しています。家族にも言えないような悩みや不安を抱えて来る患者さんばかりですから、よく話を聴き、病気について詳しく説明をして、安心していただくことを大事にしています。

デリケートな悩みを抱える女性、
時間をかけて話を聞きます。

 私が泌尿器科医を目指したのは、診察から手術まで自分でやれる診療科だったからです。患者さんを診療する中で、よく女性の患者さんから「女医に診て欲しい」という声を聞いたのが、女性泌尿器科医になるきっかけでした。
 男性の患者さんと比べて女性は、まずは話を聞いてほしいという方が多く、予約の患者さんをお待たせしてしまうこともしばしばあります。特に初診の場合は30分かけてじっくり話すので、1日3人が限度です。そのため初診予約は3カ月もお待たせしている状況です。手術の予約も半年先まで埋まってしまっています。手術までは進行を防ぐ治療を続けていますが、患者さんにはご不便をおかけしています。中には遠く熱海や御殿場から来られる患者さんもいます。これほど患者さんが多いのですから、女性泌尿器科医がもっと増えてくれればいいのですが。

 

MINI VOICE:骨盤底筋体操をおすすめします

骨盤底筋体操は、肛門や膣にぎゅっと力を入れたり緩めたりする体操です。骨盤臓器脱の他、頻尿や尿失禁の予防などにも有効。便秘や肥満気味の方、中高年以上の方などは、症状がなくても日頃から意識して続けることをおすすめします。

 

Home vol.35(PDF)ダウンロードはこちら