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メディア掲載情報

メディカルコラム「補食のタイミングとポイント」

ジュニアアスリート静岡(2023年6月no.40)のメディカルコラムに小児科の吉野 彰兼  医師が寄稿しました。

 


 

「補食のタイミングとポイント」

 

 アスリートの皆さんにとって食事による栄養摂取はとても重要であることはご存知かと思います。適切な栄養補給は集中力の維持、疲労回復、身体作り等、様々な効果があります。一般的に五大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン)をバランス良く摂取することが大事だと言われていますが、アスリートはより多くのカロリーを消費するため、3食に加えて適切な補食も重要になります。
 運動の主なエネルギー源は炭水化物で、タンパク質や脂質より消化が早いと言われています。炭水化物が不足すると筋肉のタンパク質が壊れ、パフォーマンスの低下に繋がります。例えば、午後からの練習で昼食から時間が空いてしまう場合は、練習前に炭水化物が多く含まれる、おにぎりやバナナ等の摂取がお勧めです。そして、運動中は多量な汗をかくため、脱水に注意が必要です。汗と一緒に塩分も喪失するため、運動中はお茶よりミネラルを含むスポーツドリンクが適しています。しかし、運動以外で飲み過ぎると糖尿病の原因になることもあるため、注意しましょう。
 運動後は、傷ついた筋肉を修復するためにタンパク質を合成するので、炭水化物やタンパク質を含む、肉まん、おにぎり、バナナ、プロテイン等をすぐに摂取することが大事です。また、クエン酸の摂取も疲労回復に効果的です。
 普段の食生活に気をつけるだけでなく、補食にも注目しながら、日々の運動に取り組んでいきましょう。

小児科
吉野 彰兼