メディア掲載情報
メディカルコラム「起立性調節障害について」
ジュニアアスリート静岡(2023年4月no.38)のメディカルコラムに小児科の佐藤 恵 医師が寄稿しました。
「起立性調節障害について」
朝なかなか起きられなかったり、午前中は調子が悪かったりすることはありませんか?ひょっとしたら起立性調節障害かもしれません。
起立性調節障害は自律神経の調節がうまく行かず、立ちくらみや頭痛・食欲不振・嘔気・腹痛など色々な症状がみられる疾患です。午前中に症状が強く、午後から夜にかけて症状は軽くなる傾向があります。そのため、サボっていると思われたり、学校に行けず不登校になる事もあります。不登校のお子さんの30-40%に起立性調節障害を併存すると言われています。
思春期頃より症状が見られることが多く、軽症も含めれば、小学生の約5%、中学生の約10%に存在します。
まずは規則正しい生活(朝起きて、夜寝る)・水分摂取(1日1.5リットルが目安)・塩分摂取(普段より1日3g程度多くとるよう意識)・運動(散歩など1日30分程)などを意識して行ってください。調子が悪く活動量が低下すると、症状がより悪化しやすくなってしまいます。また、スマートフォンの長時間の使用が、起立性調節障害の症状を悪化させるという報告もあるため、長時間使用も控えてください。改善しない場合は薬物治療が必要になることもあります。
起立性調節障害は身体疾患であり、精神疾患ではありません。しかし、精神的な不安やストレスなどが、症状を悪化させてしまいます。
気になる点がありましたら、1人で悩んだり苦しまず、医療機関にも是非ご相談ください。
小児科
佐藤 恵