• 標準

背景色

メディア掲載情報

メディカルコラム「ジュニアアスリートとプロテイン食品について」

ジュニアアスリート静岡(2024年2月no.47)のメディカルコラムに小児科の瀬戸 理貴  医師が寄稿しました。ジュニアアスリートは当院外来パンフレットスタンドや市内各所で配架しています。ぜひお手に取ってご覧ください。

 


 

「ジュニアアスリートとプロテイン食品について」

 

プロテイン食品(以下プロテイン)は筋肉増強のイメージが強いですが、「栄養補助食品」の一種になります。栄養補助食品とは日常の食事で摂取できない栄養素を補うための食品です。つまり、プロテインはさまざまな理由でたんぱく質を必要量摂取できない方へ、それらを補うための一つの手段となります。一方で、従来のイメージの「筋肉増強」という側面では、ジュニアアスリートにとっては年代によって必要かどうかが違ってきます。

子供の成長は、神経→免疫→体格→生殖の順で進みます。これらの発達の順序がお子さんの運動能力の習得と大きく関係しています。運動能力の習得には、時期で“テーマ”が異なります。“ゴールデンエイジ(6歳から12歳)”と呼ばれる世代では、神経の発達が盛んな時期なため、主に体の動かし方(さまざまなスポーツで基礎と呼ばれる動作)を習得する期間となります。どうやったらボールがまっすぐ飛ぶのか”など「自分のプレイ(動作)」と「自分のイメージ(脳)」をすり合わせていく期間です。つまり“ゴールデンエイジ”の世代では筋肉増強が必要となることは少ないです。ただし前述のように、偏食があるお子さんや食事環境でどうしても最低限必要なたんぱく質の摂取ができないお子さんについては栄養素を補う必要があります。

“ポストゴールデンエイジ(12歳から14歳)”と呼ばれる世代では、体格の発達が盛んな時期のため、フィジカルや体力のトレーニングが必要となってくる時期となります。この世代になってくると、成長のスピードは個人差が出てくるため、基礎として習得した動作をプレイで実践していくなかで、体格差や体力差を埋め合わせていく必要があります。体格を鍛えていくなかで筋力トレーニングも一つの手段です。その補助としてプロテインは有効となるでしょう。ただし、過度な摂取やトレーニングは成長途上の体に悪影響を及ぼすこともありますので、指導者のアドバイスを受けながら、適切な量の摂取を心掛けトレーニングを行っていきましょう。

小児科
瀬戸 理貴