メディカルコラム「気をつけたい水の事故」
ジュニアアスリート静岡(2024年8月no.52)のメディカルコラムに葉山 翔梧 医師が寄稿しました。ジュニアアスリートは当院外来パンフレットスタンドや市内各所で配架しています。ぜひお手に取ってご覧ください。
気をつけたい水の事故
夏も本番、涼を求めて海や川、プールなどにお出かけするご家庭も多いのではないでしょうか?冷たい水が心地よく、好奇心が刺激される環境で夢中になって遊ぶ気持ちは自身にも覚えがあります。しかし、時にその環境が命を脅かしかねないことは子供たちのみならず保護者の方々も常に頭に置いておく必要があります。
警察庁の資料によりますと、ここ5年間ほどは平均すると全国で毎年30人程度の中学生以下の子供たちが亡くなる、あるいは行方不明となる水難事故が発生しています。特に、未就学児や中学生よりも小学生の割合が高くなっています。また、水難事故の発生場所として、大人では「海」が最多であるのに対して子供では「河川」が最多で半数以上を占めています。
つまり、まだ小柄ながらも自身の意思である程度の行動が出来てしまう年代、かつ海水浴場の様に整備された監視環境がない状況での事故が多いということが考えられ、保護者の方が目を離さないことが重要となります。
また、気をつけたいのが子供は静かに溺れるという点です。バシャバシャと音を立てたり、声を出して助けを呼んだりする余裕はありません。そのため、天候や増水状況を事前に調べて危険な場所は避ける、泳ぎに不慣れなお子様にはライフジャケットの装着をさせるといった予防策も重要になります。
夏休みもこれから後半戦、まだまだ遊ぶぞー!と意気込んでいるお子様も多いことでしょう。事故には気をつけながらもたくさんの自然とふれあい、ご家族のすてきな思い出がたくさん増える夏になることを願っております。
小児科
葉山 翔梧