
新型コロナウイルス感染との戦いが始まって3年が経ちました。
この3年間、できる限り地域の方々が医療を受ける機会をのがすことがないように努めてきましたが、それでも皆さまにご迷惑をおかけすることもあったかと思います。また、面会の禁止や制限によって入院患者さんやご家族が不安な気持ちを持たれていることを、たいへん心苦しく感じてきました。
5月には新型コロナ感染症の取り扱いが変わり、ようやく社会が新しい方向に向かい始めます。とは言っても感染症がなくなったわけではなく、感染弱者の方と接する機会が多い我々としましては、必要な感染対策を行いながら地域の皆さまに安心して当院を受診していただけるよう努めてまいります。
昨年度は呼吸器外科の再開、肝胆膵内科の開設に加えて、放射線治療装置の機器更新、新たな血管撮影装置の増設、そして手術支援ロボット『ダ・ヴィンチ』の導入と当院の診療領域の拡大と機能の充実を進めることができました。
がんの治療では肺がんの胸腔鏡手術、前立腺がんや大腸がんのロボット支援手術が新たに始まり、体への負担が少ない手術が増えました。また超音波内視鏡による肝胆膵領域がんの診断精度の向上、さらに新たな放射線治療装置の導入による治療精度の向上など、がんの診断や治療の選択肢が広がりました。
これに加えて血管撮影装置の増設により、脳卒中や心血管疾患の診断と治療も充実し、緊急対応を含めた体制が充実してきています。
また当院の周産期母子医療センターでは、産科病棟を昨年度末にリニューアルオープンしました。より快適な環境の中で安心して出産していただけるよう、機能とアメニティーの両面で妊産婦さんをサポートしていきます。
社会福祉法人として全国に400以上の医療・福祉施設を持つ済生会では、「ソーシャルインクルージョンが根付いたまちづくり」を推進しています。昨年度の当院の済生会フェアでは、済生会本部の炭谷理事長が「済生会が目指すまちづくり」について講演を行いました(リンクはこちら)。
静岡県済生会には、障がいのある方や高齢者など社会的に弱い方をサポートする施設や、看護学校、保育園など、病院を含めて全部で16の施設があります(詳細はこちら)。このような済生会の施設はもちろんのこと、地域の医療機関や福祉施設とも協力し、安心して暮らせるまちづくりにも取り組んでいきたいと考えています。
これからも「患者さんにやさしく、患者さんが安心できる病院」をモットーに、当院に来院された方に「済生会でよかった」と思っていただけるよう努めてまいります。
2023年4月
