Home vol.35:静岡済生会のがんトータルケア「胃がんと向き合う」
胃がんは40代後半から罹患率が高くなる病気。
一昔前に比べると少なくなってきているものの、特に男性では最も多いがんです。
胃カメラ検診で早期発見・早期治療ができますが、検診率は決して高いとはいえません。
当院では、消化器内科、外科、緩和医療科、がんトータルケアセンターなど
関係部門がタッグを組んで、「治す」と「支える」に取り組んでいます。
胃がんってどんな病気?
早期発見すれば内視鏡手術が可能
胃がんは胃の内側の粘膜から発生し、胃の壁の中を徐々に深く浸潤して、進行すると胃を動かす筋肉(筋層)、さらに胃の外側の漿膜まで達します。粘膜辺りにある早期がんなら切除してしまえば、ほぼ100%転移もなく治すことができますが、深くなるほど再発や転移のリスクが高まり、がんを完全に取り切ることが難しくなります。
がんが粘膜内にとどまっている場合は内視鏡で切除でき、入院もごく短期。当院では内視鏡での切除は消化器内科が行います。したがって、早期発見が一番です。定期的な検診を受けることをお勧めしています。
がんが進行すると
ある程度進行した胃がんに対しては外科で開腹や腹腔鏡手術による切除を行います。周辺のリンパ節にがんが転移している場合があるので、手術では胃と周辺のリンパ節を一緒に切除します。手術ですべてのがん細胞が取りきれれば根治が期待できますが、実際にがんが取り切れたかどうかを判断することは非常に難しいです。がん細胞が残っている可能性が高いと判断された場合には、ごくわずかに残っているかもしれないがん細胞に対し、抗がん剤治療をお勧めする場合があります。手術後にがんが再発した場合や、手術で取り切ることが出来ない胃がんに対しても抗がん剤治療を行います。抗がん剤だけでは根治を得ることは困難ですが、病気の進行を遅らせることができます。
安心して治療できる体制を整えています
当院ではがん患者さんの辛さや不安を和らげるために、早い時期から緩和医療科やがんトータルケアセンターが介入し、治療と生活の両面からサポートする体制を整えています。
がんトータルケアセンター
当院では、様々な職種のスタッフが連携して患者さんを支える「がんトータルケアセンター」を立ち上げました。
患者さんを「治す」のと同様に「支える」活動に力を入れています。誰に言ったらいいのかわからない悩みや疑問、不安を受け止め、患者さんの「自分らしさ」を支えます。
外科 部長
Dr.鈴村潔
日本外科学会指導医・専門医/日本消化器外科学会指導医・専門医/日本乳癌学会認定医
検診マンモグラフィ読影認定医/麻酔科標榜医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医
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