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Home vol.36:静岡済生会のがんトータルケア 肺がんと、向き合う。

肺がんは大腸、胃に次いで多いがんです。
死亡率はがんの中で最も高く、治りにくい病気。高齢になるほどその傾向は高くなります。
当院の呼吸器内科は、肺がんの疑いのある患者さんから、病状の進行などにより手術に適さない患者さんまで多くの診療実績を重ね、関係部門と共にチームで「治す」と「支える」に取り組んでいます。

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肺がんってどんな病気?

進行の早い肺がん、遅い肺がん

 肺がんには大きく分けて2つの種類があります。「小細胞肺がん」は非常に増殖が速く、中には半年前のレントゲンには映っていないのに、わずか半年で巨大な腫瘤を形成したり、脳や骨などへの転移で様々な症状が出現する場合もあります。一方で「非小細胞肺がん」は比較的進行がゆっくりで、数年間かけて数mm~数cm程度に増大するケースもしばしばみられます。よく年をとるとがんの進行が遅くなると言われますが、肺がんの種類によっては必ずしもそうではありません。

 

画期的な治療薬が登場しています

 最近数年間で肺がんの内科的治療は非常に大きく進歩しました。ノーベル賞を受賞した本庶佑先生の研究で一躍有名になった「免疫チェックポイント阻害薬」が、治療の進歩を大きく牽引しています。従来ステージⅣの進行期非小細胞肺がんで、抗がん剤治療を受けた場合の1年生存率は30~40%とされてきましたが、最近の報告では5年生存率のデータも出始めています。さらに既存の抗がん剤や放射線療法と併用することで、より良い治療効果が得られるようになっています。抗がん剤治療中の患者さんの日常生活には、副作用を抑える支持療法の発展も非常に大きく貢献しています。未だに進行期肺がんは治癒が難しい病気ではありますが、治療成績は着実に良くなっています。当院でも免疫チェックポイント阻害薬や化学療法あるいは放射線療法を併用した治療を行っています。

 

予防のお話

 肺がんの原因は喫煙や受動喫煙、大気汚染や職業性暴露などの環境や食生活、放射線や薬品、あるいは慢性的な呼吸器疾患など非常に多岐にわたります。その中でもやはり喫煙は非常に大きな要因です。喫煙者の肺がん発生率が高いことはよく知られていますが、受動喫煙もリスク因子として確立しています。肺がんの予防を考えるにあたっては、まず第一に禁煙が挙げられます。肺がんは早期に発見し適切な治療を行えば治癒も望める疾患です。定期的な検診は早期発見に役立ちます。

 

若い医師が精力的に取り組んでいます

呼吸器内科 診療医チーム

 当院の呼吸器内科は2016年に再スタートして以来、スタッフ数を続々と増やし、20代~40代の若い医師がフットワークを活かして精力的に治療にあたっています。また緩和医療科や化学療法センターなどの部門が密に連携してチーム医療に取り組んでいます。手術が必要になった場合も他院との連携により充実した医療が受けられる体制を整えています。

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呼吸器内科 科長
Dr.草ヶ谷 英樹
日本内科学会認定内科医/日本内科学会総合内科専門医/日本呼吸器学会専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医/医学博士

 

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