Home vol.33:静岡済生会のがんトータルケア 「乳がんと、向き合う。」
女性の11人に1人が一生のうちに乳がんにかかるといわれるほど、乳がんは身近な病気になってきました。
こわいイメージがありますが早期発見すれば9割以上と、他のがんと比較して高い完治率を見込むことができます。
そのためには検診が有用です。当院では外科で乳腺外来を開設している他、
院内のがんトータルケアセンターを中心に、患者さんを支える体制を整えています。
乳がんってどんな病気?
自己触診と検診で早めの発見を
乳がんは自分で触って気づけるケースもあります。早く見つけて治療できれば直ちに命に関わることはありません。病期でいえば0期やⅠ期(腫瘤2㎝以下・リンパ節などへの転移なし)といった早期のがんなら完治を目指せます。そのために、自己触診と定期検診を続けることが大切です。
乳がん治療は人それぞれオーダーメイド
乳がん細胞には、活発なもの・大人しいものなど様々な性格があります。また、しこりのできた位置や大きさ、浸潤の有無(がんが乳管の周りに広がっているかどうか)進行の度合いも人それぞれ。そのための治療法も患者さんによって異なり、手術・薬物治療・放射線治療のいずれか、または複数を組み合わせて行います。早期がんであっても乳房を温存するより全摘の方が良い場合もあり、術式も人それぞれ。最近は形成外科と連携して全摘と同時に乳房再建術を行うケースも増えてきました。薬物治療には抗がん剤・ホルモン剤・分子標的治療薬と様々あり、複数の薬剤からその患者さんに適したものを選びます。
長期の治療をチームで支えます
当院では患者さんと十分にコミュニケーションを取って、選べる治療のメリット・デメリットを的確にお伝えし、患者さんが納得いく選択をしていただけるよう努めています。また乳がんは早期がんであっても一度診断されると10年に及ぶ経過観察が必要です。当院では多職種のチームで長期的に患者さんを支える一方、地域の診療所とも連携し、主治医2人体制で再発予防や進行の抑制を図っています。
▲ 多職種によるマンモグラフィ読影カンファ
月に一度は自己検診を行いましょう
閉経前の方は、月経終了後1週間くらいの間、閉経後の方は毎月、日にちを決めて行いましょう。鏡に向かい、乳房の変形や左右差がないか、仰向けになって外側から内側へ指の腹を滑らせ、しこりの有無をチェックするとよいでしょう。
外科 医長
Dr.西前 香寿
日本外科学会専門医/日本乳癌学会乳腺専門医
日本乳癌学会認定医/検診マンモグラフィ読影認定医
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