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home vol.53:DOCTOR'S VOICE 「不調の原因を突き止めることにやりがいを感じています」

血液内科 部長
竹内 隆浩 医師

医学博士
日本血液学会認定血液専門医・指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定内科医
臨床研修指導医
日本救急医学会認定ICLSインストラクター・ディレクター


【Profile】
20年にわたり当院血液内科で活躍。診療以外の活動も活発で、幅広い人脈を活かして芸能やスポーツ、学術など各界の著名人を招き、医療についての理解を深めるトークイベントを定期的に開催している。院内バンド「ドクターチルドレン」でベースを担当。

 

 

原因不明の体調不良を一緒に考えます

当院の血液内科には、なんとなく調子が悪いとか、何故かだるいといった患者さんも多く見えます。血液検査で貧血が見つかることもあれば、メンタルからくる不調の場合もあります。どこの診療科に行ったらいいかよく分からないような体調不良が続いている場合も、一緒に原因を考えます。困っている患者さんの相談に応じて原因を突き止めることは、医師としてとてもやりがいのあることだと思っています。かかりつけ医に紹介していただき、ぜひご相談ください。

 

最新の治療法の導入に力を入れています

静岡で骨髄移植を最初に始めたのは当院だと聞いています。現在当院では海老澤和俊医師を中心に末梢血幹細胞移植を再開し、年10例以上のペースで進めています。また、最近は分子標的に絞った治療が進んできているため、遺伝子検査の結果に応じた、薬剤選択性の高い治療を積極的に進めて行きたいと思っています。分子標的治療は私の恩師の長年の夢でしたので、それが実現されつつある現状に希望を感じます。
膠原病についてはMTX(メトトレキサート)をできるだけ使用しないリウマチ治療を考えています。MTXの長年使用によるリンパ増殖性疾患のリスクについての啓発活動も重要な仕事だと思っています。さらに、発作性血色素尿症、後天性血友病など、血液内科での特殊な疾患についても力を入れていきたいと考えています。


当院の良さは各部門の素早い対応

当院のいいところは、検査がすぐできることです。各部門が素早く動いてくれる機動力の高さがあって、私もとてもやりやすいので20年もここにいます(笑)。血液を調べることで、体のいろいろなことが分かります。貧血はもちろん悪性腫瘍や白血病、ウイルス感染、膠原病などを発見できることもあります。

 

心を支えることを大切にしています

血液内科は比較的重い疾患の患者さんも多く来られるので、最新の薬を取り入れるなど治療の研鑽にも力を入れる一方、心を支えることを大切にしています。最近まで健康だった人が突然白血病やリンパ腫になったときの精神的な影響は相当なもの。だからこそ急に病人扱いするのではなく、普通に接しながら恐怖や不安を和らげることも重要な仕事だと考えています。
今は医療もデジタル化、マニュアル化が進んでいる反面、心を置いてきぼりにしてしまいがち。心にはもっと白黒はっきりしない中間色があります。人は皆さまざまな個性や特技を持っているもの。せっかく出会えた縁ですので、患者さんにも自分らしさを見せていただけるとありがたいなといつも思います。それが自分自身の勉強にもなると思っています。
病気の有無に関わらず、人の最期というのは誰にも分かりません。そのときに備えて、せめて出会った人には感謝の念を忘れないようにすることが大切かなと、医師というより一人の人間として思います。日本人はそれを示すことを恥ずかしいと感じますが、それができなくなってからでは遅いと常に感じています。

 

当たり前だと思っていたことのありがたみに気づきました

昨年ぎっくり腰になり動けなくなってしまう経験をして、ずっと天井を見て寝たきりの生活を送った時期があり、いろいろ考えさせられました。人間はこんなにももろく何もできなくなってしまうのかと。仕事ばかりで良かったのかとか、周りにしてもらっていたことへの感謝とか、当たり前だと思っていたことが当たり前ではないことを強く感じました。人は失わないとあることのありがたみに気づかないと思い知りました。そこで40年ぶりにリハビリのため水泳をはじめました。今ではなんとか個人メドレーの200メートルの試合に出場できるほどまでに回復してきました。次は最近出られていないテニス病院対抗戦に復帰したいと思っています。

 

難病を抱える患者さんの力になりたい

膠原病も含め難病の解明には全力を尽くしたいと思っています。悩まれる症例がありましたらいつでも気軽に連絡ください。また、体調がすぐれない、原因が分からないなどの症状でも何か力になれることがあるかもしれないので来ていただけるとありがたいです。

 

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