home vol.57:家族が知りたい認知症対策【退院後の疑問】
退院後の生活を考える上で知っておくと役立つことを専門職が解説します。院内外のさまざまなサポート体制もご紹介します。
Q. 退院後はどんなケアを継続していくといいのでしょうか。
退院後は、「入院生活で低下した心身の機能を回復すること」と「住み慣れた場所で安心して暮らせる環境を再構築すること」が必要です。生活リズムを再構築するために、医療・介護サービスの連携による専門職のサポートをご活用ください。退院後は状態が変化しやすいため、専門家の目を入れることが重要です。そしてもう一つ大切なのは、ご家族の休息。ご家族が「頑張りすぎない」ことが、ケアを継続する最大の秘訣です。
Q. 退院後の食生活をどうサポートしたらいいですか?
ご家族には入院中に食事の様子を見に来ていただき、今の状態を把握することをおすすめします。どんなことがリスクになるのか、入院前とどう変わったのかを知っていただけると、退院後も安全な食生活を長く続けることができると思います。安全に食べられる食形態が変わってしまった場合、これまでと異なるものを作ることはご家族には手間となることがあります。その際には、工夫の仕方や市販品の使用などお伝えできることがあるかもしれません。気軽にいろいろとお尋ねください。
Q. 父の認知機能に不安があり、退院後の生活支援が心配です。
院内の医療ソーシャルワーカーにご相談ください。認知症でない方も、デイサービスなどを活用して定期的に外出し、他者とのおしゃべりを楽しんだり、運動をしたり、活動的な時間を設けることで、認知症予防が期待できます。入院を機に認知機能の低下が見られ、介護保険サービスを必要とする方には、ご本人、ご家族に申請から利用までの流れを説明し、急を要する方にはケアマネジャーを紹介することもできます。入院前からデイサービスなどを利用されていた方でも、長期の入院で体力だけでなく、認知機能が低下する方もいらっしゃいます。その際は担当のケアマネジャーと情報を共有しながら、退院後のサービス量を増やすなど、調整を依頼します。また、特に退院後の生活に不安が強いおひとり暮らしの方には、入所施設や、身元保証会社、自宅退院を目指す病院などをご案内することもあります。一方、「認知症の家族を置いて入院できない」という方の相談も珍しくありません。1人で抱えずお気軽にご相談ください。
Q. 退院してからも介護や生活のことについて相談できますか。
もちろんです。お住まいの地域に「包括支援センター」があり、65歳以上の方は困りごとは何でも相談できますし、若い方には生活をトータルで相談できる「社会福祉協議会(静岡市 暮らし・しごと相談支援センター)」などを案内していますが、ご相談いただければ、病院が持つ地域とのネットワークを駆使して、必要な機関におつなぎすることができます。
相談がなくとも、来院の際にお元気な姿を見せていただくことは私たちの喜びです。
Q. 離れて暮らす両親のためにサポートサービスを利用したいです。どんなサービスがありますか。
介護保険サービスの利用はもちろんですが、その他静岡市の行っているお勧めのサービスがいくつかあります。
① 配食見守りサービス
注文したお弁当を配達員から直接受け取ることが安否確認になります。おひとり暮らしの方にお勧めです。
② ひとり暮らし高齢者等緊急通報システム
緊急時の通報の他、火災報知器、ガス漏れ報知器の機能も持つ装置を1日10円で利用できます。
③ S救急セット
緊急連絡先やお薬情報などを記入したカードを指定の筒に入れて冷蔵庫に保管しておくことで、救急要請をした際など、必要な情報を速やかに医療機関に届けることができます。おひとり暮らし、夫婦のみの高齢者が対象です。
④ 「認知症しずメール」
認知症の方が徘徊で行方不明になった際、いち早く安全に保護できるよう、事前に登録している市民の方々が、メールで受け取った情報を元に本人を捜索してくれる事業です。
以上は、お住まいの地域包括支援センターやケアマネジャーを通じて、またはご本人、ご家族が直接区役所窓口に出向くことで申し込みができます。ご自身の相談先となる包括支援センターの場所を確認したり、気になる施設を見学するなど、事前に備えておくことをお勧めします。
