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Home vol.39:一生つきあえる「婦人科」の話。

済生会病院の産婦人科が担当しているのは、お産に関することばかりではありません。小学生の女の子からご高齢の方まで、女性特有の病気や、生理に関する不調に悩むすべての世代を支えています。

生理の回数は昔の10倍!悩みも増えています

1人の女性が何度も妊娠出産していた昔と比べ、今の女性は排卵が止まっている期間が短いため、一生涯の生理の回数は10倍にもなるといいます。生理の回数が多いと、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣がんなど、さまざまな病気のリスクが高まります。
当院では、そうした女性の生理に関わる病気や症状全般の診療にあたっています。患者さんの中には10代の生理痛から始まって妊娠や出産、更年期の不調までずっと済生会という方もいます。年齢とともに変わっていく女性の不調と一生向き合う産婦人科です。

 

体に負担の少ない手術に力を入れています

子宮筋腫や卵巣腫瘍などで手術が必要な患者さんのために、傷を最小限にできて体に負担の少ない腹腔鏡手術に力を入れています。特に近年増えている子宮筋腫は、子宮内にできたこぶが次第に大きくなり、生理の出血や生理痛がひどくなって気づいた時には2kg以上になっているケースもあります。症状が重く子宮を摘出する場合も腹腔鏡手術が可能です。

 

女性泌尿器科と連携し、「骨盤臓器脱」の治療をおこないます

骨盤臓器脱とは、骨盤内部の臓器が膣から下へ出てきてしまう病気で、出産を経験した女性のおよそ40~50%がなると言われます。出産や加齢に伴い骨盤内臓器を支えている組織が傷んで弱くなる事が主な原因です。尿漏れや尿がでにくい、トイレが近い、陰部に何か挟まっている気がするなどの症状がある場合は、骨盤臓器脱の可能性があります。近年、腹腔鏡下にメッシュで下垂臓器を吊り上げ、より自然に近い形で修復をおこなう治療法が主となってきており、多くの患者さんが当院で治療を受けています。昨年末より女性泌尿器科とタッグを組み、集学的な骨盤臓器脱治療を開始したことで、治療までの期間が大幅に短縮されました。

 

がんなどの病気はもちろん、毎月の不調まで診療しています

子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がんなど、女性特有の悪性腫瘍の治療も行います。中でも将来妊娠を望む患者さんには生殖機能(これを妊孕性といいます)を温存する治療に努めます。
また、生理前後の不調や生理痛、更年期の辛い症状などに悩む患者さんのために、専門のドクターが相談に応じる「ヘルスケア外来」を新設しました。

 

受けましょう!子宮頸がん検診

子宮頸がんは、30代後半にもっともなりやすい病気。HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因であり、検診により予防・早期発見が可能な病気の一つです。ワクチンにより感染を予防することもできます。(4月より積極的接種が再開されました。)アメリカでは85%の女性が検診を受けていますが、日本では20歳代の25%しか検診を受けていません。「自分は大丈夫」と判断せず、少なくとも2年に1回は受けるようにしましょう。〈超音波検査もある婦人科検診は、1年に1回受診することを当院では推奨しています〉

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産婦人科 科長 小野田 亮
産婦人科 医師 乙咩 三里

 

 

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