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home vol.52:「骨卒中」で生活が激変!?
卒中(そっちゅう)とは「突然起こる」という意味。高齢になっても病気一つせず元気に毎日を送っていた人が、ある日突然、背骨や大腿骨などを骨折したのをきっかけに、寝たきりになって命に関わることも少なくありません。高齢者の大腿骨骨折で1年以内に死亡する確率は、基礎疾患の有無などにより変わりますが、10〜30%といわれます。
●「いつのまにか骨折」にも注意
高齢者の大腿骨骨折は、転んだりひねったりといった軽い衝撃でも起こり、歩けなくなる、痛むといった症状が表れます。対して、圧迫骨折という背骨の骨折の場合は、痛みもなく気付かないうちにいつのまにか折れているということがあります。背骨が曲がっている、背が以前より3cm以上縮んだという方は、背骨が折れていないか一度検査してみることをおすすめします。
●骨折が連鎖することも
一度骨折すると転びやすくなり、再び骨折を起こすリスクが高まります。大腿骨を骨折した人が反対側の大腿骨を骨折するケースもよく見られます。もろくなった骨がドミノ倒しのように次々に折れるので「ドミノ骨折」と呼ばれています。
また、背骨はたくさんの骨がつながっているので、1つが骨折すると周りの骨に荷重がかかってバランスが崩れ、次々に骨折を起こすことがあります。
●骨折が「要介護」のきっかけに
「要介護」となる原因のうち、「転倒・骨折」は、認知症、脳卒中に次ぐ第3位となっています※。骨卒中から回復してもとの自立した生活に戻るためには毎日のリハビリテーションが重要。リハビリを1日休むと1週間回復が遅れるともいわれます。毎日続けるためには、良くなりたいという意欲を持ち続けることがとても大切です。
※厚生労働省国民生活基礎調査(2022年)