Home vol.30:がん治療の現場から「化学療法センターの仕事」
がんと診断された患者さんが、薬による治療を受けるところ、それが化学療法センターです。
当センターでは、年間5,000件を超す治療を行っており、がん治療認定医やがん化学療法看護認定看護師、がん薬物療法認定薬剤師、管理栄養士などがそれぞれの専門性を発揮し、チームで患者さんの体と心を支えています。
患者さんの体・心・生活を支えます
化学療法センターは、患者さんと担当医とで相談して決めた治療方針に基づき、薬を使ったがん治療を行う場所です。これまでの生活を続けながら治療を受けることができるのが外来治療の利点です。そのため、抗がん剤による副作用のマネジメントは当センターの役割のひとつです。副作用対策(支持療法)の進歩でかなり軽減されてきていますが、中には副作用が強く出やすい薬もあり、適切なケアが大切です。そしてもう一つの大切な役割が、患者さんの生活面のサポートです。心のケアから経済的な問題まで、様々な悩みや不安に寄り添い、患者さんが前向きに治療に取り組めるよう、共に考え支援を行っています。
さまざまな治療法
薬によるがん治療は、完治を目標とする治療と、進行を遅らせ症状を抑える治療に大別できます。使う薬はよく知られている抗がん剤の他、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、内分泌療法薬など様々。患者さんの職業や家庭環境によっても最適な治療法は変わります。ベストな治療を受けていただけるよう、患者さんへの十分な情報提供に努めると共に、関係各部門と情報を共有し連携しています。なお、当院では行っていない保険診療外の治療を希望する患者さんには他院の紹介も行います。まずは身近な当院にご相談ください。
安全を最優先に
患者さんに安心して治療を受けていただくために、センターでは安全を最優先にケアに取り組んでいます。大切な治療を行う責務を全スタッフが自覚して行動できるよう、人材教育には特に力を入れています。また、治療される患者さん一人ひとりに担当看護師が継続してつくのも当センターの大きな特徴です。不安や迷いも、いつもの看護師が一緒に考え、支えます。何でも遠慮なくお話しください。
充実の設備
患者さんの中には一日がかりで点滴治療を受ける方もいます。治療中、ご家族と気兼ねなく過ごしていただけるよう、センターには専用の個室を用意しています。また、プライバシーに配慮し、専用トイレも備えています。がん治療は長期戦。少しでも安心快適に生活していただけるよう、様々な角度から患者さんを支えていきます。
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